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ガレノキサシン(ジェニナック)~「新キノロン系抗生物質」~

 抗菌剤についてのお勉強、といいつつも二ヶ月くらい前に書いた文章を忘れていて放置していただけですが…。

 富山化学というと若干マイナーな気もする会社ですが、phaseに乗っている化合物は良さそうだという評判を聞きました。

 その一つが「T-3811(ガレノキサシン)」です。他にも「T-705」や「T-817MA」などがあります。そのガレノキサシン(商品名ジェニナック)が先日発売されたということを知りました。

 『薬事日報:「新キノロン系抗菌剤「ジェニナック」発売-アステラス、大正富山、富山化学の3社」』

 現場のことは現場の方にということで『薬局のオモテとウラ: [新発売]ジェニナック錠200mg』より
・ジェニナック錠200mg、一般名は「メシル酸ガレノキサシン水和物」
・用法は「1回400mgを1日1回」らしい。
・メーカー・卸とも結構力を入れているらしい。
・一日薬価が593円。クラビット(一般名レボフロキサシン)の551円と比べても、それほど高いわけでもない。

 「新キノロン系」ということでこれまでのニューキノロン(クラビットなど)とはちょっと違うみたいです。キノロンやニューキノロンというのは良く聞くのですが、「新キノロン」というのはニューキノロンとどう違うのでしょうか?非常に分かりづらい…。

 ここからは基本的に『日本薬理学会誌Folia Pharmacol. Jpn. Vol.130, 287-293, 2007「キノロン系抗菌薬の基礎」』を基に…。

・キノロン系薬物の作用点…DNA gyrase。静菌的ではなく殺菌的に働く。
・抗菌スペクトル…グラム陽性菌から陰性菌、さらにはクラミジアと幅広い菌に有効(おくすり110番より)。

(オールド)キノロンの例
ピぺミド酸
ピぺミド酸


ニューキノロンの例
ノルフロキサシン(バクシダール)
ノルフロキサシン


6位(らしい)にフッ素を導入、これで耐性菌に対する活性増強や体内動態が改善した。他にレボフロキサシン(クラビット)などもあります。

新キノロンの例
ガレノキサシン
ガレノキサシン


6位のフッ素は無い、と言うことが新しいらしい(*1)。注射でも投与可能であり、痙攣誘発、光毒性、関節毒性などの副作用も軽減されている。小児への適用も期待される。

なお新キノロン系薬物でphase入りしているのは把握している限り富山化学のozenoxacinと第一三共のDX-619のみ。

『Drugs.com:Garenoxacin New Drug Application:Garenoxacin is a novel des-F6-quinolone antibacterial agent discovered by Toyama Chemical Co., Ltd. of Tokyo, Japan. 』
http://www.drugs.com/nda/garenoxacin_060213.html

という記事からおそらく6位のフッ素がない「新キノロン」では最初の薬でしょう。英語では「novel」を使っていますが、new quinoloneとnovel quinoloneでは分かりづらいのでnovel new quinoloneとかに…する訳に行かないのでしょうか。

 それはともかくとして、上記のピぺミド酸は第二世代キノロン、レボフロキサシンなどが第三世代キノロン、第三世代が効きづらかったレンサ球菌属(肺炎球菌)等にも効果を持つガチフロキサシンが第四世代キノロンらしいので、これは第五世代キノロンということになるのでしょうか。

キノロン系薬物、今後の展望

・抗菌スペクトルや使用実績から見てもすでに成熟している薬剤。
・小児科領域の治療薬としての可能性(今はあまり使われていないのでしょうか?)。
・耐性菌の出現も懸念される。しかしPK/PD(*2)による有効性の予測が比較的容易な薬剤であり、適正な使用により耐性菌の出現を抑制するは可能。

(*1)元に戻った感がありますが、骨格が若干違うので別物(「新キノロン」)として扱われているのでしょうか?
(*2)PK/PDに関してはこちらを。http://www.chikennavi.net/word/pkpd.htm。

  1. 2007/11/20(火) 22:06:31|
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