日々の戯言~研究とか薬とかST250とか~

その他ダイエットや就職活動記など色々な出来事の備忘録

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

The Arg451Cys-Neuroligin-3 knockin miceの行動解析と電気生理学的解析

A Neuroligin-3 Mutation Implicated in Autism Increases Inhibitory Synaptic Transmission in Mice
Science. 2007 Sep 6; [Epub ahead of print]
Tabuchi K, Blundell J, Etherton MR, Hammer RE, Liu X, Powell CM, Sudhof TC.

自閉症とNeuroligin-3の論文、正確にはNeuroligin-3の論文か。

 Autism spetrum disorder (ASDs)=自閉症スペクトラム障害らしい。無知を晒してしまうと、そもそも"autism"と"ASDs"の厳密な定義の違いなどは全く知りませんでした。

 ASDsについて『【アスペルガーライフ】自閉症スペクトラム障害とは』より

自閉症スペクトラム障害ってどんな障害なんでしょう?
知的障害を伴う古典的自閉症・高機能自閉症・アスペルガー症候群・広汎性発達障害…いろいろな疾患名がありますがみな「自閉症」のお仲間です。
(中略)
自閉症スペクトラム障害は他者との関わり・感じ方・行動などにさまざまな影響を及ぼす障害です。


『自閉症スペクトラム:自閉症スペクトラムとは』より

「自閉症スペクトラム」とはローナ・ウイングが1996年に提唱した概念です。いわゆる自閉症からアスペルガー症候群または高機能自閉症まで、知的な遅れがない例から重度の知的な遅れがある例まで連続した一つのものという広い概念です。


さて論文について…

・ある割合(*1)のASDs患者は変異型neuroligin (*2)を有する。
・変異自体は数種類あるが、そのうちの一種類、具体的にはneuroligin-3の451番目のアルギニンがシステインに変わっている変異(R451C)、を有するマウスを作製。
・R451Cマウスではsocial interactionは弱まっているが、spatial learning abilityは上昇している(*3)
・Acute sliceで…抑制性シナプス伝達は増強されているが興奮性シナプス伝達には変化はない。
neuroligin-3のdeletionではそのような変化は見られなかった。

・故にR451Cは"gain-of-function mutation"である。
・自閉症は抑制性シナプス伝達がかかわっているかもしれない。
・R451C knockin mouseは自閉症のモデルとなりうる。

とアブストだけでごまかしてみますが、やはり本文を読まないと何とも言えないですね。

・自閉症は抑制性シナプス伝達がかかわっているかもしれない。

というのはともかくとして

・抑制性シナプス伝達は増強されているが興奮性シナプス伝達には変化はない。

ということからどうして

・R451Cマウスではsocial interactionは抑制されているが、spatial learning abilityは上昇している。

というようなoutput (phenotype)が出てくるのか、理解できていない。"Social interaction"や"learning ability"云々ではなく、興奮性シナプス伝達が全く変化していない(*4)のにこれほど劇的なphenotypeがでるのが不思議。

 さらっと見た感じではpyramidal neurons in layer 2/3 of the somatosensory cortex in acute slicesにpatchして、EPSC、IPSCを記録している様子。結局これくらいのscale (単一細胞へのinputを見ているというscale)では差が無いけれどnetworkレベルでは差が出てくるという事なのかもしれない。Inhibitoryが変化しているということでtimingなどが変わるとか…。全くの門外漢なので的外れかも知れないけど。

 同号のPerspectivesにも"Testing Hypotheses About Autism"というタイトルで記事がある。

(*1)
本文「small percentage」なので割合としては少ない?

(*2)
本文「postsynaptic cell-adhesion molecule」

(*3)
アスペルガー?

(*4)
これも不思議ではあるが、そうするとtimingやsynchronyなどの変化などなのかもしれない。



関連メモ
 治療薬…根本的な治療薬は無い。メルクマニュアル、その他によるとSSRIやバルプロ酸、カルバマゼピンなどが処方されているらしい。

過去に書いたものから…「Neuroliginについて」

HILOKIさんのところからも。
『生命の理解、そして「理解」の理解。:自閉症にはSHANK3, Neuroligin3, 4 の変異が関与しているかもしれない』
  1. 2007/10/09(火) 21:34:02|
  2. 論文
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<痛覚のみを抑制する局所麻酔 | ホーム | 同期>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://ikettie.blog80.fc2.com/tb.php/199-a6e50086
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

ikettie

Author:ikettie

・博士号(薬学)取得後、とある製薬企業の研究者になりました。
・大学と企業の違いに戸惑いながら日々の思考の変化を追っています。
・コメントお待ちしております。
・初めての方はこちらへどうぞ(070824改編)
・検索エンジンから「ST250」でいらした方はこちらへどうぞ

・ツーリングの目次はこちらです。
・トップ画像の拡大写真はこちら。2010年5月3日@萩ユースホステルからの夕日です。夕日を見送るのが好きなので、良くツーリング先で夕日を見送っています。



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

リンク: アカデミアの人々

リンク: 企業の人々

リンク: 医薬関係

リンク: ST250関連

リンク:ツーリング関連

個人的リンク

カウンター(since 2007.03.28)

現在の閲覧者数:

月別アーカイブ

カレンダー

10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

ClustrMaps

Locations of visitors to 

this page

あわせて読みたい

あわせて読みたい

全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

ご意見・苦情など

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログ内検索

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。