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「和製メガファーマ」

 Nikkei Net2007年7月27日の記事より。

「巨大製薬会社、1―2社実現」、厚労省が構想 
 厚生労働省は、国内の製薬会社から世界に通用するメガファーマ(巨大製薬会社)を「少なくとも1―2社」誕生させると提言した「新医薬品産業ビジョン案」をまとめた。2002年に同省が発表した構想を5年ぶりに改定した。ただ、5年間で海外の製薬会社は国内企業を上回る成長を遂げており、実現は容易ではない。(07:01)


 『薬事日報』の「【厚労省】新医薬品産業ビジョンを公表」により詳しく書いてありますのでそちらも参照。

産業の将来像については、製薬企業の向かう方向性として、▽メガファーマ▽スペシャリティファーマ▽ベーシックドラッグファーマ(*1)▽ジェネリックファーマ▽OTCファーマ--の五つに再分類した。


 このうち「メガファーマ」とやらが必要だということです。昔の厚生省が統合を促し、誕生したのが第一三共とアステラス(だと思います)。しかしこれでも海外のメガファーマと比べてしまうと…という規模なのは明らかです。ちょっと古いですが、2005年の売上について、『製薬ナビ』より。多少の増減はあるかと思いますが、昨年も基本的には変わっていないはず。すると内資最大手の武田でもこの表だとかなり下の方、最大手ファイザー(*2)の1/4~1/5程度の規模。
 ファイザーの売上を今日のレートで計算すると5兆円強という数値が出てきます。国内の医薬品市場の規模が6兆円弱ということで、おおざっぱですが、それほど変わりません。従って、国内市場だけではどうしようもなく、海外市場で勝負するしかないと言うことで、実際そのような動きになっています。販売だけでなく、開発なども然りですね。また、現時点では「武田+第一三共+アステラス」を単純に合算しても第5位程度です。それで「少なくとも1~2社」って、どうやって「誕生させる」のでしょうか。現時点では内資同士をくっつけてもせいぜい一社くらいしかできないのではないかと思います。悲観的になりたくるような数字ばかりが並んでいますが、誕生するのでしょうか。
 なぜ誕生させる必要があるのか、については全く触れられていませんが、自明の理なのでしょうか。
 「ある程度」の規模は必要かもしれませんが(*3)、大きければ良いのか?、ということも考えるべきことだと思います。

Bigger isn't always better.
Nature 418, 353 (25 July 2002)

 これは2002年にファイザーがファルマシアを買収した翌週の記事、当時は学部生でしたが読んだということは覚えています。
 ファイザーとグラクソ・スミスクライン(*4)の例を出し、

Merged companies are still facing the same problems, such as how to work out when to fail a drug candidate to avoid throwing good money after bad. Worse, some industry insiders claim that the mergers are stifling innovation, rather than promoting it.

と記している。外国はビジネスはビジネスとして(日本などよりもはるかにドライに)捉えていると思っていたので"stifling"というのはかなり意外でした。
そして新たな道として…

The pharmaceutical industry's leaders could stop thinking about mergers, and instead turn over the early stages of drug discovery to nascent companies experimenting with new chemical, biological, genomic and computational technologies.

確かに導入品などが増えています。これはこれまでの力押しのHTSでは通用しなくなってきつつあるというのが原因の一つではないかと思います。

But in future, its role in the early stages of the drugs pipeline might well be restricted to coordinating, facilitating and funding the work of the real innovators. If so, what we are currently witnessing may not be the start of the pharmaceutical industry's slow demise, but rather the first stirrings of its reorganization into a new and more viable form.

これまでのように創出から開発、販売まで自社で、という形では無くなって行くのかもしれません。上述しましたが導入品が増えているのがその象徴なのかも。5年というのは比較的「古い」記事だと思いますが、その古さを感じさせないのはすごいと思います。しかし、正しいのかもしれないですが、そうすると今「メガファーマ」で働いている研究者は?それは厚労省主導で今後誕生するかもしれない「和製メガファーマ」でも同様ですが…。


(*1)
ベーシックドラッグファーマ
『医薬品・化粧品・食品に関する情報提供』に書いてありました。

これはワクチン・輸液・血液製剤・局方品など医療を支える基礎医薬品などを効率的に安定供給するものとして位置づけられた。

ということみたいです。

(*2)
半年くらい前にはサノフィ・アベンティスとブリストル・マイヤー・スクイブが合併して最大手になる、というがありましたが潰れたようです。

(*3)
「ある程度」が「どの程度」なのかはよく分かりません

(*4)
売上第二位の製薬会社。
  1. 2007/07/31(火) 18:25:04|
  2. 薬・製薬会社
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