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交尾の科学

 変な話ではありません、ただの論文メモです。ちょっと風呂敷を広すげた感は否めないが。

Male pheromone-stimulated neurogenesis in the adult female brain: possible role in mating behavior.
Nat Neurosci. 2007 Jul 1; [Epub ahead of print]
Mak GK, Enwere EK, Gregg C, Pakarainen T, Poutanen M, Huhtaniemi I, Weiss S.

 こちらはアブストしか読んでいないが、オスのフェロモンについて。使用動物はマウス。マウスは社会性を持ち、その社会体系はオスの階層性から成る。おそらく上位の(支配的な)オスマウスを"dominant-male"と呼び、下位の(従属的な)オスマウスを"subordinate-male"と呼んでいる。オスとメスを同じケージに入れておくとdominant-maleのpheromone(*1)により雌のアダルトマウスのhippocampusおよびolfactory bulbでneurogenesisが誘発される(*2)。しかし、これはsubordinate maleでは起こらない。また、これはプロラクチン黄体形成ホルモンなどのホルモンとは関係なく起こる。
 さらに、dominant-male pheromoneにより引き起こされるneurogenesisとその後の交尾でdominant-maleを選択するという嗜好は相関する(イマイチよく分からない)。また、細胞分裂を阻害するAraCでneurogenesisを抑制するとその嗜好は無くなる。
 故に「dominant-male pheromones→neurogenesis→dominant-maleを選択」という話。一種のポジティブフィードバックみたいな感じか。より強いオスと子孫を残した方が…ということかもしれないが、マウスの世界も厳しいなあ。
 Olfactoryということでニオイを、hippocampusということで記憶関連…というdiscussionもしているみたいだが未読なので…。 あとAraCだとグリアにかなり影響がありそうなのだが多分触れられていない。
 "Dominant-male"特有の物質が同定され、その受容体に対するアゴニストが開発されれば媚薬になるのか、、、?とか妄想だけは広がる。素人的な考え方だが、実際にはマウスとヒトでは嗅覚の果たす役割の重さは若干違うと思うのでそれほど簡単な話では無いと思う。


Sexual behavior activity tracks rapid changes in brain estrogen concentrations.
J Neurosci. 2007 Jun 13;27(24):6563-72.
Taziaux M, Keller M, Bakker J, Balthazart J.

 こちらもさらっと。この論文ではオスの性行動について、やはりマウスを使用。「女性ホルモン」として知られるエストロゲンは「男性ホルモン」として知られるテストステロンから、アロマターゼという酵素により合成される。「女性」と言いつつ実はオスの脳にもエストロゲンの合成酵素が存在することは良く知られている(*3)。そのエストロゲンが何をしているのか?という疑問に対する、不十分ではあるが、一つの答え。
 VorozoleやATD、17-OH-ATDなどのアロマターゼ阻害薬の投与直後(10分後から30分間)にオスの性行動についてのテストを行う。するとmountやintromissionなど、オスの典型的な性行動についてのscoreが低下する。また、これはアロマターゼのノックアウトマウスでも起こるということから、オスのacuteなアロマターゼ活性が性行動に大きな役割を担っている。若干飛躍すると、「女性ホルモン」がオスの性行動に必要である、ということ。

(*1)
オスのpheromoneと言えばニュースにもなった次の論文を思い出す。
Sex-specific peptides from exocrine glands stimulate mouse vomeronasal sensory neurons.
Nature. 2005 Oct 6;437(7060):898-901.
Kimoto H, Haga S, Sato K, Touhara K.
 オスマウスの涙に含まれるというpheromoneでメスを惹きつけるという。残念(?)ながらヒトには無い。
 今回の論文がこれを指しているのかどうかは読んでいないので分からないが、多分違うと思う。

(*2)
 読んでいないのだが、basalでも起こるのでおそらく「neurogenesisが増える」なのだろう

(*3)
例えば
Adult male rat hippocampus synthesizes estradiol from pregnenolone by cytochromes P45017alpha and P450 aromatase localized in neurons.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2004 Jan 20;101(3):865-70.
Hojo Y, Hattori TA, Enami T, Furukawa A, Suzuki K, Ishii HT, Mukai H, Morrison JH, Janssen WG, Kominami S, Harada N, Kimoto T, Kawato S.
  1. 2007/07/21(土) 16:08:09|
  2. 論文
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