日々の戯言~研究とか薬とかST250とか~

その他ダイエットや就職活動記など色々な出来事の備忘録

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「和製メガファーマ」

 Nikkei Net2007年7月27日の記事より。

「巨大製薬会社、1―2社実現」、厚労省が構想 
 厚生労働省は、国内の製薬会社から世界に通用するメガファーマ(巨大製薬会社)を「少なくとも1―2社」誕生させると提言した「新医薬品産業ビジョン案」をまとめた。2002年に同省が発表した構想を5年ぶりに改定した。ただ、5年間で海外の製薬会社は国内企業を上回る成長を遂げており、実現は容易ではない。(07:01)


 『薬事日報』の「【厚労省】新医薬品産業ビジョンを公表」により詳しく書いてありますのでそちらも参照。

産業の将来像については、製薬企業の向かう方向性として、▽メガファーマ▽スペシャリティファーマ▽ベーシックドラッグファーマ(*1)▽ジェネリックファーマ▽OTCファーマ--の五つに再分類した。


 このうち「メガファーマ」とやらが必要だということです。昔の厚生省が統合を促し、誕生したのが第一三共とアステラス(だと思います)。しかしこれでも海外のメガファーマと比べてしまうと…という規模なのは明らかです。ちょっと古いですが、2005年の売上について、『製薬ナビ』より。多少の増減はあるかと思いますが、昨年も基本的には変わっていないはず。すると内資最大手の武田でもこの表だとかなり下の方、最大手ファイザー(*2)の1/4~1/5程度の規模。
 ファイザーの売上を今日のレートで計算すると5兆円強という数値が出てきます。国内の医薬品市場の規模が6兆円弱ということで、おおざっぱですが、それほど変わりません。従って、国内市場だけではどうしようもなく、海外市場で勝負するしかないと言うことで、実際そのような動きになっています。販売だけでなく、開発なども然りですね。また、現時点では「武田+第一三共+アステラス」を単純に合算しても第5位程度です。それで「少なくとも1~2社」って、どうやって「誕生させる」のでしょうか。現時点では内資同士をくっつけてもせいぜい一社くらいしかできないのではないかと思います。悲観的になりたくるような数字ばかりが並んでいますが、誕生するのでしょうか。
 なぜ誕生させる必要があるのか、については全く触れられていませんが、自明の理なのでしょうか。
 「ある程度」の規模は必要かもしれませんが(*3)、大きければ良いのか?、ということも考えるべきことだと思います。

Bigger isn't always better.
Nature 418, 353 (25 July 2002)

 これは2002年にファイザーがファルマシアを買収した翌週の記事、当時は学部生でしたが読んだということは覚えています。
 ファイザーとグラクソ・スミスクライン(*4)の例を出し、

Merged companies are still facing the same problems, such as how to work out when to fail a drug candidate to avoid throwing good money after bad. Worse, some industry insiders claim that the mergers are stifling innovation, rather than promoting it.

と記している。外国はビジネスはビジネスとして(日本などよりもはるかにドライに)捉えていると思っていたので"stifling"というのはかなり意外でした。
そして新たな道として…

The pharmaceutical industry's leaders could stop thinking about mergers, and instead turn over the early stages of drug discovery to nascent companies experimenting with new chemical, biological, genomic and computational technologies.

確かに導入品などが増えています。これはこれまでの力押しのHTSでは通用しなくなってきつつあるというのが原因の一つではないかと思います。

But in future, its role in the early stages of the drugs pipeline might well be restricted to coordinating, facilitating and funding the work of the real innovators. If so, what we are currently witnessing may not be the start of the pharmaceutical industry's slow demise, but rather the first stirrings of its reorganization into a new and more viable form.

これまでのように創出から開発、販売まで自社で、という形では無くなって行くのかもしれません。上述しましたが導入品が増えているのがその象徴なのかも。5年というのは比較的「古い」記事だと思いますが、その古さを感じさせないのはすごいと思います。しかし、正しいのかもしれないですが、そうすると今「メガファーマ」で働いている研究者は?それは厚労省主導で今後誕生するかもしれない「和製メガファーマ」でも同様ですが…。


(*1)
ベーシックドラッグファーマ
『医薬品・化粧品・食品に関する情報提供』に書いてありました。

これはワクチン・輸液・血液製剤・局方品など医療を支える基礎医薬品などを効率的に安定供給するものとして位置づけられた。

ということみたいです。

(*2)
半年くらい前にはサノフィ・アベンティスとブリストル・マイヤー・スクイブが合併して最大手になる、というがありましたが潰れたようです。

(*3)
「ある程度」が「どの程度」なのかはよく分かりません

(*4)
売上第二位の製薬会社。
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  1. 2007/07/31(火) 18:25:04|
  2. 薬・製薬会社
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ツーリング~ビーナスライン~

 とりあえずはこれで最後です。前回銚子に行った後に忙しくなり、出かけている余裕はありませんでした。カレンダーを振り返ってみると6月は文字通り一日も休んでいません。というより休めませんでした。実験がうまくいかなくて試行錯誤していたのですが…。最近になってようやく懸念材料二件のうちの一件が片付き始めたが、もう一件が…。両方片付けばそれなりに骨のある論文になると思うので踏ん張りどころです。

まあそれはともかくとして出撃してきました。
時期:2007年7月上旬
とりあえずの目的地:ビーナスライン

(*1)→R20(*2)→諏訪湖(*3)→ビーナスライン(*4)→上信越道小諸インター(*5)→家(*6)
こうやって書いてみるとあまり立ち寄っていない。

(*1)6:15発
(*2)途中道の駅「はくしゅう」で休憩。11時頃到着。
P1000721.jpg

 道の駅でこういうものを初めて見ました。「駅」という雰囲気があるし、道路も線路同様「線」として繋がっているという実感を持てていいですね。止まっていると結構暑かった…。

(*3)あまり混んでいなかったので12:00頃到着。
P1000722.jpg

 諏訪湖は霞ヶ浦とは違い栄えていました。対岸が見える位の大きさも丁度良い気がします。昼食はそば。調べずに普通のお店に行ったら普通のおそばが出てきました。その後温泉へ。
 諏訪湖近辺の片倉館というところへ。
洋風で珍しかったのですが、いいお湯でした。この辺りはまだ天気は良かったのですが。

(*4)ビーナスラインでどんどん登っていくと…
最初はこの程度。曇ってはいるけれど運転に支障はありません。
P1000729.jpg

それが…
P1000741.jpg

 美ヶ原高原、晴れていればこういうところみたいです。三峰展望台にもよりましたが、雲だか霧だかしか見えませんでした。

さらに進むと
P1000747.jpg

こんな状態だったり
P1000745.jpg

 こんな状態でした。デジカメを全自動モードにしたらフラッシュをたいてしまう程度の明るさです。マフラーの白い線は無視して下さい。
 この辺はまだ写真を撮っている余裕がありました。しかしこの後、3m前方が見えない状態になり、ヘッドライトでチンダル現象が起きていました。さらに小雨が降ってきたので慌てて駆け抜けました。雨天走行は経験があったのですが、霧中走行は初めてです。ライジャケは持っていったのですが、雨に関しては完全無防備でした…。
 同じ日に日光に行った方の話を聞いたらやはり上の方は天気が悪かったとのこと。高原の空気は満喫できましたが、残念ながら景色は満喫できず。下の方に降りると雨もやんできました。晴れている日にリベンジしたいものです。

(*5)高速慣れしてしまうともう下道で帰るのは辛い…。小諸インター付近についたのは17時頃。家までざっと見積もって200km程度だったので迷わず高速に。途中横川SA、上里SAで休憩。

(*6)家には20時着。3893km→4403kmで走行距離は510km。

 行きも高速を使えばもう少し現地で余裕があると思いますが、下道で徐々に景色が変わっていくのを見るのも楽しみなので悩ましいところです。なお、ライダーとしても歩行者としても感じたのですが、信濃路のドライバーは総じて優しかった。

ツーリングの目次はこちら
  1. 2007/07/30(月) 21:29:07|
  2. ST250
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ツーリング~銚子漁港~

 これも以前ちょっとだけ書きましたが、企画で銚子漁港に鰯を食べに行くことに。

時期:2007年5月27日

 初めての参加だったので、初めて公道に出たとき以来の緊張感(*1)でしたが、結果として杞憂に終わりました。みんな良い人で、非常に楽しかったです。

R357→R126→r58(*2)→r30(*3)→R126(*4)→銚子(*5)→R356→R51→成田(*6)→帰宅(*7)

(*1)初めて公道に出た時のことはいずれ書きます。書くべき時も決めていますが無事にその日を迎えられたら、ということで。
(*2)途中道の駅「オライはすぬま」で休憩。「オライ」の意味は未だ不明。
(*3)九十九里浜沿い、かと思いきや防風林で海は見えず…。

(*4)飯岡刑部岬展望館で屏風ヶ浦を見渡す。
P1000706.jpg

 富士山が見えると書いてあったが残念ながら見えず。冬なら見えるのかも。

(*5)銚子にて昼食。どこも鰯が無かった…。気を取り直して海鮮丼を食す。
P1000711.jpg

銚子漁港に行く前に犬吠埼灯台へも行きました。なんだかんだで犬吠埼は毎年行っていることになります。

(*6)初めて成田山新勝寺へ行きましたが…。
P1000715.jpg

工事中でした。来年開基1070年祭らしいのでそれに合わせているみたいです。
その後成田ゆめ牧場でアイスを食べるが多すぎた…。

(*7)18:20、無事帰宅。3402km→3686kmで走行距離は284km。

その後は…実験。




 今日も同じ様な企画で那須に行く予定だったが雨で中止。今日のために期日前投票したのだが…。もうすぐ開票ですね。毎回開票速報を夜遅くまで見てしまいます。

 なお今日は、日曜の方が学校は空いていて実験しやすいので、実験をすることに。

 
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  1. 2007/07/29(日) 19:55:44|
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ツーリング~猿ヶ京温泉~

 まだ続きます。実験が進んでいない割には出かけすぎな気がしないでもありません。こちらもご参照下さい、ここでは写真などでも…。
 暦上は連休だったのですが、あまり関係無い生活をしていました。大学院生なんてそんなものでしょう。色々忙しかった(*1)のですが合間を縫って遠出することに。

時期:2007年5月5日
とりあえずの目的地:猿ヶ京温泉。ツーリングマップルで初めて存在を知ったのですが、道に迷わなさそうだったので。


 といいつつ、もう到着です。この日は移動距離があったので余裕がありませんでした。埼玉県の上武道路分岐点の辺りは写真を撮っておけば良かったと反省。
 それでもなんだかんだで12時頃に着いたので思ったほどは遠くないです。
P1000691.jpg

のどかで景色も良いところでした。まんてん星の湯からの景色も良かったのですが、流石に温泉内では写真は撮れず。
やはり山の上の方は雪が残っています。

 このあとこの山の向こう側に移動、R17で湯沢インターまで。湯沢についたのが14時頃。正直こんなところまで行く予定は無かったのですが、折角なので新潟県まで行きたくなり進みました。よくよく考えてみると新潟県に行ったのは新潟脳研に行って以来、二年ぶりでした。
 引き返そうにもR17以外に道がない(*2)ので関越に乗りました。

土樽PAから見た関越トンネル。
P1000696.jpg

高速初体験で関越トンネルは結構厳しいのかと思いきや、そうでも無かった気がします。ちょこちょこ休みながら帰宅…。
2833km→3218kmで走行距離385km。


(*1)
と言っている割には一週間で二回ツーリング…

(*2)
行きと帰りは違う道を通りたいので


ST250で高速の走行について。

 スプロケは15Tのままですが、走行車線で80km/h程度が快適で、それ以上は快適ではありませんでした。別の機会にですが、130位まではでましたが、もう出したいとは思いません。80km/hで、段々速度に慣れてきて前の車を抜こうと追越車線に移る時は相当後ろの方まで車がいないことを確認する必要があります。この辺の速度だと加速力が弱いので前の車を追い越す前に追いつかれてます。

 あと高速走行すると燃費が若干悪くなるように言われていますが、大人しく走っていれば30km/L位は行くと思います。街乗りでは32km/L程度なので一割位減っていると言えば減っていますが…。

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  1. 2007/07/28(土) 22:55:15|
  2. ST250
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Scienceでretraction

元の論文がこれ。

Cdx2 gene expression and trophectoderm lineage specification in mouse embryos.
Deb K, Sivaguru M, Yong HY, Roberts RM.
Science. 2006 Feb 17;311(5763):992-6.
2006年2月17日号です。

 2006年10月27日号にコメントが発表され、University of Missouri Columbiaの調査が行われているとのことが書いてあります。

We are therefore informing readers that the results reported therein may not be reliable.


とのこと。

そして2006年12月1日号にも。
Developmental biology. Fraud investigation clouds paper on early cell fate.
冒頭の一部分から

A surprising report in a contentious area of developmental biology has sparked a scientific misconduct investigation at the University of Missouri, Columbia.


 ということで、スゴい論文だったがどうもおかしいらしいということでしょうか。発覚した経緯が良く分かりません。あと12月の時点ではもうretractionされることがほぼ確実の様に書いてありますが、その後の調査に時間がかかったのでしょうか、発表まで半年かかっています。
 その調査をした後の結果がScience 2007年7月27日号、つまり今日です。

We wish to retract our Report "CDX2 gene expression and trophectoderm lineage specification in mouse embryos" (1).Allegations of research misconduct were received by the University of Missouri-Columbia (MU) Provost, and an investigation found that the first author (K.D.) engaged in research misconduct by intentionally falsifying and fabricating digital images in the preparation of Figs. 4I; 4N; 4S; 2G; 3, J to L; S2, V to X; and S6, I to K accompanying the Science article.






 普段あまり注意しなかったのですが、PubMedで"Science [Jo]"と"retraction"と入れるだけで結構出てきます。これもあちらこちらで色々議論されていますが、抑止的な対策というものはできるかもしれませんが決定的な対策というものはできないでしょう。誰かがPeer Reviewのシステムは最善とか言っていましたが、実際に査読する側になって仮にそういう論文に当たっても分からないと思います(個人的な、少ない査読経験に基づいているので慣れればわかるのかもしれませんが)。また、「最善」というのは「他のシステムよりはマシ」程度なのかもしれません。
 今回のことに関しては、分野が違うので振り回されずに済んだというのは感じますが、振り回されてしまった人はいるわけです(2007年7月27日現在引用31回)。勿論論文(だったもの)の存在そのものが問題ですが、ミスリードしてしまうという二次的災害を引き起こしてしまうというのも問題です。「Science」という影響の大きい雑誌であることが拍車をかけてしまったと思うのですが、雑誌の責任というものは存在するのでしょうか。「雑誌の責任は問われるべき」と考えている人もいるのかもしれませんが、個人的には雑誌自体には無いと思います。

  1. 2007/07/27(金) 13:36:34|
  2. 論文
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ツーリング~渡良瀬・足尾~

 とりあえずはツーリングネタを出してしまおうと思います。
 渡良瀬渓谷・足尾銅山については以前も書きましたが、写真を載せたいのでまた書きます。

 霞ヶ浦へ行ってからちょうど一か月、何かと年度の頭は忙しかったのですが合間を縫って遠出することに。

時期:2007年4月29日
とりあえずの目的地:水沼駅温泉霞ヶ浦で入れなかった温泉へ。

道の駅「くろほね・やまびこ」到着。地名の「くろほね」は分かりますが「やまびこ」ってなんでしょう?
P1000639.jpg

でも確かにやまびこが聞こえてきそう。写真でもわかりますが、新緑がまぶしく、天気も良かったので最高の日よりでした。
水沼駅に到着。近辺で写真を一枚。
P1000642.jpg

なぜに鯉のぼり?

P1000647.jpg

STさんは相変わらず真っ黒、ノーカスタムです。ウインカーを移設したい…。ヘルメットも真っ黒です。

R122を進むと草木ダムに到着(*1)。空の青さが気持ちいい。
P1000652.jpg

遠くの山には雪が見えます。
P1000654.jpg


さらに進むと足尾銅山に到着。予定外だけど折角なので寄ることに。トロッコみたいな乗り物に乗って銅坑へ行くが普通に歩ける距離だった。雰囲気作りかな?
P1000659.jpg


銅坑のなかは当たり前だけど暗い。
P1000667.jpg


所々当時を再現した人形があり、動いているが結構怖い。子供の頃なら泣いていただろう。
P1000671.jpg


立ち寄ったのは以上で、R122→R120→R119→R4で帰宅。日光で渋滞に巻き込まれた以外はスムーズに進めました。

2522km→2833kmで走行距離は311km。天気が良かったし、満喫できました。渡良瀬渓谷鉄道沿いのR122はオススメです。

(*1)
水資源機構のURLがwater.go.jpなのが面白い。
調子に乗って今話題の緑資源機構を調べてみたら予想通り…。

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  1. 2007/07/26(木) 21:34:55|
  2. ST250
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ツーリング~霞ヶ浦~

 ネタがないちょっと忙しいので昔のツーリングについて書いておきます。
 というのは嘘で(忙しいのは本当ですよ)、本当は検索エンジンからいらっしゃる方のキーワードランク第二位がST250関連なので少しは書いておかなきゃと思っているからです。どちらにせよカスタムなどはしていないので大した内容ではありません。なお、検索一位は「CDNF」です。この状態ではそうかな、という気もしますがむしろ他に誰も書いていないことに驚いています。


話はツーリングについて…

時期:2007年3月31日
目的地:とりあえず目指したのは霞ヶ浦

 前回の心の傷が癒されぬままだったが、バイクでしかこの傷は癒せないと勘違い、とりあえず出かけることに。桜は咲いていたが、相変わらずの曇り空だった。

(*1)→R6→(*2)→R354→道の駅「たまつくり」(*3)→R355(*4)→白帆の湯(*5)→R355→R51→R356→R6→家(*6)

(*1)7:20発
(*2)交差点が良く分からず道に迷う
(*3)10:30着、閑散としていた。
道の駅たまつくりのすぐそばに霞ヶ浦大橋。昔は有料だったみたいですが、今は無料。快適でしたが大型車が多い…。
P1000584.jpg

それほど曇っているようには見えませんが、意外と寒くてテンションは全く上がらず。
(*4)霞ヶ浦湖畔を快走、の予定が国道は湖畔を通っていなかった。
(*5)白帆の湯は…何故か閉まっていたorz。
白帆の湯そばで…
どっちを
P1000587.jpg

向いても
P1000588.jpg

何も無い
P1000589.jpg

テンションはさらに下がる、帰ることに。

(*6)14:00帰宅。2243km→2450kmで走行距離は207km。かえって疲れた。

 振り返ってみるとあまり楽しくないツーリングだった。走ることだけを目的とするならばのんびりトコトコできたのですが、温泉に入りたかった…。

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  1. 2007/07/25(水) 20:12:34|
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天皇陛下の講演、英科学誌に掲載

 Nikkei Netより

天皇陛下の講演、英科学誌に掲載 

 今年5月、天皇陛下がロンドンで生物学者リンネ生誕300周年記念行事に出席した際に講演された「リンネと日本の分類学」の抜粋が、12日付の英国の科学誌「ネイチャー」に掲載された。

 陛下は5月29日、ロンドン・リンネ協会での記念行事で、リンネの業績や、弟子のツュンベリーが江戸時代に来日して西洋の科学を伝えたこと、自分が魚類研究を始めたことの思い出などについて英語で講演された。同誌は宮内庁を通じて承諾を得たうえ、「エッセー」欄に2ページを使って掲載した。

 陛下は1992年、米国の科学誌「サイエンス」に英語の論文「日本の科学を育てた人々」を寄稿されたことがある。(01:44)


 Natureですが、全然気付きませんでした。これですね。
Linnaeus and taxonomy in Japan というタイトルで、読んでいませんがネット上で情報を漁ってみると結構面白いとの評判です。門外漢ですが読んでみようと思います。

Scienceの論文はこれですね。

Early cultivators of science in Japan.
Akihito. Science. 1992 Oct 23;258(5082):578-80.

名前がカッコいい。調子に乗って色々調べてみると…

Evolutionary aspects of gobioid fishes based upon a phylogenetic analysis of mitochondrial cytochrome B genes.
Akihito , Iwata A, Kobayashi T, Ikeo K, Imanishi T, Ono H, Umehara Y, Hamamatsu C, Sugiyama K, Ikeda Y, Sakamoto K, Fumihito A, Ohno S, Gojobori T. Gene. 2000 Dec 23;259(1-2):5-15

凄いのは住所。

The Imperial Residence, 1-1 Chiyoda Chiyoda-ku, 100-0001, Tokyo, Japan (下線部は引用者)

カッコ良すぎる。

  1. 2007/07/24(火) 21:02:45|
  2. 論文
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ツーリング~道志道~

 昔のツーリングについて。
ところで「道志道」って読めます?僕は読めませんでした。いや、特に難しくなくてむしろそのまま「どうしみち」です。

時期:2007年3月21日
目的地:とりあえず目指したのは道志の湯

 三月も後半だったけれど天気もそれほど良くなく、結構寒かった気がします。ただ一ヶ月程前の野島崎ツーリングに比べればはるかに暖かかった気がします。記憶が曖昧…

(*1)

R20(*2)
(*3)
R16(*4)

R413(*5)

R138(*6)
(*7)
R246(*8)

(*9)

(*1)
8:45発、今となっては考えられない遅さ。

(*2)
サイン会をしているだろうと予想していたので抑えて走った。無事通り抜ける。

(*3)
R20からR16は間違えやすいのだが、下りの場合は二本目を左折。一本目だと八王子バイパスへ誘われてしまう。僕ですか?うっかりして二本目も通り過ぎてしまいました。

(*4)
R16は悲劇的な混み方。すいすい抜けていったらちょっと調子に乗りすぎた。突然後ろでサイレンが鳴り、白いバイクに乗った青い服の人にサインを求められた…。初サイン会、1点で6000円…。この日は正直これで疲れ果てた。

(*5)
道志道。意外と交通量は少なかったのでのんびり走行。道志の湯に到着。
P1000555.jpg


 温泉で、体はリフレッシュできたが、精神的には参っていた。
R413をどんどん進むと山中湖に到着。残念ながら富士山は見えず。
P1000557.jpg

(*6)
R138に入った時に対向車の窓ガラスが濡れていた。怯えながら進んだが、幸い降らなかった。

(*7)
今なら高速を使うだろうけどこのころは高速未経験でチャレンジする気にならなかったので下道で…。

(*8)
道の駅ふじおやまで休憩。特に覚えていない。とにかく早く帰りたかった。


(*9)
19:10着
1946km→2192kmで走行距離は246km。距離の割には疲れ果てた。


道交法のお勉強です。
免許点数制度(交通違反と免許の点数と反則金)より

(3)無事故・無違反の運転者に対する特例
2年以上の間、無事故・無違反であった者が、軽微な違反行為(点数が1点、2点または3点である違反行為)を下場合、その日からさらに3ヶ月間無事故・無違反であったときは、その点数は加算されません。


これに該当したのでとりあえず6月21日までは特に気をつけようと誓う。本当はずっと気をつけるべきなのだろう。

ツーリングの目次はこちら
  1. 2007/07/22(日) 15:51:31|
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交尾の科学

 変な話ではありません、ただの論文メモです。ちょっと風呂敷を広すげた感は否めないが。

Male pheromone-stimulated neurogenesis in the adult female brain: possible role in mating behavior.
Nat Neurosci. 2007 Jul 1; [Epub ahead of print]
Mak GK, Enwere EK, Gregg C, Pakarainen T, Poutanen M, Huhtaniemi I, Weiss S.

 こちらはアブストしか読んでいないが、オスのフェロモンについて。使用動物はマウス。マウスは社会性を持ち、その社会体系はオスの階層性から成る。おそらく上位の(支配的な)オスマウスを"dominant-male"と呼び、下位の(従属的な)オスマウスを"subordinate-male"と呼んでいる。オスとメスを同じケージに入れておくとdominant-maleのpheromone(*1)により雌のアダルトマウスのhippocampusおよびolfactory bulbでneurogenesisが誘発される(*2)。しかし、これはsubordinate maleでは起こらない。また、これはプロラクチン黄体形成ホルモンなどのホルモンとは関係なく起こる。
 さらに、dominant-male pheromoneにより引き起こされるneurogenesisとその後の交尾でdominant-maleを選択するという嗜好は相関する(イマイチよく分からない)。また、細胞分裂を阻害するAraCでneurogenesisを抑制するとその嗜好は無くなる。
 故に「dominant-male pheromones→neurogenesis→dominant-maleを選択」という話。一種のポジティブフィードバックみたいな感じか。より強いオスと子孫を残した方が…ということかもしれないが、マウスの世界も厳しいなあ。
 Olfactoryということでニオイを、hippocampusということで記憶関連…というdiscussionもしているみたいだが未読なので…。 あとAraCだとグリアにかなり影響がありそうなのだが多分触れられていない。
 "Dominant-male"特有の物質が同定され、その受容体に対するアゴニストが開発されれば媚薬になるのか、、、?とか妄想だけは広がる。素人的な考え方だが、実際にはマウスとヒトでは嗅覚の果たす役割の重さは若干違うと思うのでそれほど簡単な話では無いと思う。


Sexual behavior activity tracks rapid changes in brain estrogen concentrations.
J Neurosci. 2007 Jun 13;27(24):6563-72.
Taziaux M, Keller M, Bakker J, Balthazart J.

 こちらもさらっと。この論文ではオスの性行動について、やはりマウスを使用。「女性ホルモン」として知られるエストロゲンは「男性ホルモン」として知られるテストステロンから、アロマターゼという酵素により合成される。「女性」と言いつつ実はオスの脳にもエストロゲンの合成酵素が存在することは良く知られている(*3)。そのエストロゲンが何をしているのか?という疑問に対する、不十分ではあるが、一つの答え。
 VorozoleやATD、17-OH-ATDなどのアロマターゼ阻害薬の投与直後(10分後から30分間)にオスの性行動についてのテストを行う。するとmountやintromissionなど、オスの典型的な性行動についてのscoreが低下する。また、これはアロマターゼのノックアウトマウスでも起こるということから、オスのacuteなアロマターゼ活性が性行動に大きな役割を担っている。若干飛躍すると、「女性ホルモン」がオスの性行動に必要である、ということ。

(*1)
オスのpheromoneと言えばニュースにもなった次の論文を思い出す。
Sex-specific peptides from exocrine glands stimulate mouse vomeronasal sensory neurons.
Nature. 2005 Oct 6;437(7060):898-901.
Kimoto H, Haga S, Sato K, Touhara K.
 オスマウスの涙に含まれるというpheromoneでメスを惹きつけるという。残念(?)ながらヒトには無い。
 今回の論文がこれを指しているのかどうかは読んでいないので分からないが、多分違うと思う。

(*2)
 読んでいないのだが、basalでも起こるのでおそらく「neurogenesisが増える」なのだろう

(*3)
例えば
Adult male rat hippocampus synthesizes estradiol from pregnenolone by cytochromes P45017alpha and P450 aromatase localized in neurons.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2004 Jan 20;101(3):865-70.
Hojo Y, Hattori TA, Enami T, Furukawa A, Suzuki K, Ishii HT, Mukai H, Morrison JH, Janssen WG, Kominami S, Harada N, Kimoto T, Kawato S.
  1. 2007/07/21(土) 16:08:09|
  2. 論文
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細胞種特異的な抑制

論文メモ。

From synapse to behavior: rapid modulation of defined neuronal types with engineered GABA(A) receptors.
Nat Neurosci. 2007 Jul;10(7):923-929.
Wulff P, Goetz T, Leppa E, Linden AM, Renzi M, Swinny JD, Vekovischeva OY, Sieghart W, Somogyi P, Korpi ER, Farrant M, Wisden W.

 Nature Neuroscienceのtechnical report、図をさらっとしか見ていないが、面白そう。しかし結構手の込んだことをしている。Technical reportなのでその実験系についてメモするのが妥当だろう、と言っても図1に集約される。
 なおzolpidem (ゾルピデム、商品名マイスリー)についてはこちら。昔働いていた薬局では結構処方されていた薬です。

 かなり特殊なマウスを作製しているのだが、その目的として、ある特定の細胞種の活動を抑えてしまおう、ということが挙げられる。ある細胞集団が個体レベルでどのような役割を果たすのか、と言うことに関しては様々な「損傷を与える」という実験系が大きな役割を果たしてきた。しかし従来の「破壊実験(細胞種特異的なgenetic ablationも含む)」では問題点があるのも事実。例えば、「破壊」というのは永続的であり、かつかなり強い条件なのでcompensatoryに働くシステムがあるかもしれない。従って、可逆的、一時的にある特定の細胞集団の活動を抑えることができればより良いシステムとなりうる。
 今回着目したのがGABAA受容体のgamma2 subunitに作用するゾルピデム。ゾルピデムに対する感受性はgamma2 subunitの77番目の残基がフェニルアラニン(F77)であることが必要であり、それをイソロイシンに変えてしまうとゾルピデム非感受性になる。従って、gamma2 subunitがI77であるGABAA受容体を持つマウスを作成すると、そのマウスはゾルピデム非感受性である。さらにある特定の細胞のみで動くプロモーターの下流にgamma2(F77)-GFPを持つマウスと掛け合わせることによりある特定の細胞のみゾルピデム感受性になる。
 例えばL7 promoterは小脳Purkinje cellのみで働くので、Purkinje cellのみゾルピデム感受性になる。すなわちゾルピデム投与により、Purkinje cellの活動のみを抑制することができる。後は実際の発現部位やmIPSC、behaviorに対するゾルピデムの作用を見ている。この辺は未読。

 これは別にPurkinje cellだけでなく、色々な細胞種できるのだろう、しかも時期依存的に。色々面白そうなことができそうですが…。

 どうでもいいのだが、なぜゾルピデムにしたのかが分からない。単純に(アミノ酸残基レベルでの)作用部位が分かっている薬物が他にないのならいいのですが。記憶が正しければゾルピデムはベンゾジアゼピン系の薬物同様GABAの作用を増強する、いわゆるモジュレーターとして働く(*1)。従って、GABAの放出が少なくなったりすると、効き辛くなるはず。一方バルビツール系薬物はGABAA受容体のアゴニストとして働く。従って、GABAがあっても無くても作用を示す。単純に抑制が目的ならばバルビツール系の薬物の方が適当だと思うのだが。

(*1)
ゾルピデム自体はシクロピロロン系。




セミが鳴きはじめた。そんなに暑くは無いがもう夏だ。

  1. 2007/07/20(金) 21:15:59|
  2. 論文
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雑感

 今日はなんだか良く分からないけど朝5時から実験してしまったので眠い。「夜遅くまで」よりは「朝早く」主義なので朝早く起きるのはそれほど苦では無い。ただ流石に今日はデスクワークがはかどらなかった。いずれにせよひたすら実験する日だったので良いのだが。しかし、肝心の実験の結果があまり芳しくない予感。解析しなければなんとも言えないのだが、とりあえずO/Nで機械を走らせておく。どうも思い描いていた結果とは微妙なズレが。面倒臭いことになりそう…。

これだけではあんまりなのでいくつか。

「ダンボール肉まん」は虚報 北京テレビ局が発表
ひねくれているかもしれないが、この発表が虚偽だと思う。

 いつも愛読させて頂いているyelnessさんの『ピペドの品格』から「職業別の年収比較」
 お金が全てでは無いというのは事実だが、無視できるわけでもないのも事実。しかし、「給料」よりも「任期」の方が大変なのかもしれない。

 同じようにいつも愛読させて頂いているNATROMさんの『NATROMの日記』
「信仰と狂気~吉村医院での幸せなお産」および「たこポイ捨て禁止」のコメント欄。
 真偽や内容についての感想は控えるが、色々と考えさせられる話。

Biotechnology Japanより
理研ゲノム科学総合研究センター、今年度で廃止へ、年度末に全員いったん解雇か?
最近こういう話ばっか。
  1. 2007/07/19(木) 22:14:02|
  2. 戯言
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新規神経栄養因子CDNFは中脳ドーパミンニューロンを保護、救済する(2)

 一昨日の続き。元論文も載せておきます。

Novel neurotrophic factor CDNF protects and rescues midbrain dopamine neurons in vivo
Lindholm P, Voutilainen MH, Laurén J, Peränen J, Leppänen VM, Andressoo JO, Lindahl M, Janhunen S, Kalkkinen N, Timmusk T, Tuominen RK, Saarma M.
Nature. 2007 Jul 5;448(7149):73-7.

CDNF=conserved dopamine neurotrophic factor

CDNFについて…。
 ヒトとマウスではともに187アミノ酸残基から成り、signal peptideがあるが、pro-sequenceは無いと推察される。CDNFをHEK293に強制発現させると培地への放出が確認される。また、システイン残基が8つあるが、ジスルフィド結合の存在も確認される。
 次にCDNFの発現時期、分布について、以下全てマウス。脳では胎生後期からアダルトに至るまで発現が確認される(whole brainでRT-PCR)。アダルトではolfactory bulb、frontal cortex、caudal cortex、striatum、thalamus/hypothalamus、hippocampus、cerebellum、pons/medullaに存在し、hippocampusおよびthalamusに最も多い(文中)。
 MidbrainではE13、E18、P1、P10でも存在する。他の組織に関しては、heart、skeltal muscle、testisに多い、またWesternの結果を見る限り、brainはむしろ少ない。
 アダルトマウスでの免疫染色像。Cortex layer II~IVではNeuNと共局在、すなわち神経細胞に発現している(GFAPまたはS100βなどとの共染は無い)。海馬ではCA1~CA3の錐体細胞、DGの顆粒細胞にある(写真だけではCA3しかわからない)。Striatumでは弱いシグナルしか得られなかった。Substantia nigriaではsolitary cellに発現、solitary cellはTH (Tyrosine Hydroxylase: Dopamine合成に必要な酵素)が無い。Cerebellumではpurkinje cellに存在、またlocus coeruleus (NE neuronの起始核)にもCDNFの発現が認められる。基本的にはcell somaにあるが、それ以上の情報(subcellular localization)に関しては全く触れていない。
 以上がCDNFの発見とその分布に関して、次にCDNFの作用について。
 実験内容は簡単で、6-OHDAをマウスに投与することによりドーパミンニューロンが減る(これはパーキンソン病モデルとしてよく用いられているらしい)。CDNFは6-OHDAの投与前(6時間前、これがprotect)または後(1週間後、これがrescue)に投与する。そして数週間後に行動(アンフェタミン投与によるrotation)、TH positive neuronの数を見ている。するといずれの場合でも6-OHDA投与により引き起こされた「病態」が回復することを示している(GDNFと同程度に)。なお6-OHDA、CDNF、GDNFは全てipsilateral, intrastriatal injectionで対側と比べている。
以上が結果。

・6-OHDAによりdopamine neuronが死んでしまうが、全てのneurotrophinがrescueするわけではない、というか現時点でそのような作用が報告されているのははGDNFおよびneurturin(聞いたことがない…)のみである。また、protectの方はいくつかのneurotrophinがそのような作用を持っているがCDNFは両方(protect、rescue)の作用を持っている。

・GDNFをはじめ、知られているすべてのneurotrophinは末梢神経にも作用を持つ。それが副作用などの問題を引き起こすことも考えられる。しかしCDNFはSCG neuron (P1由来)やmotor neuron (E14 rat由来)、DRG neuron (E14、E15由来)のprimary cultureでsurvival promoting activityは無い。他にもneurite outgrowthには影響なし。これらのことからCDNFはGDNFとはかなり異なる作用、働き方をする。
 これらのassayでは作用が無いというのは良いのだが、skeltal muscle、heart、liverにも大量に発現しているようなので末梢で作用自体はあるのだろう。またPurkinje cellやhippocampal pyramidal neuron、DG granule cellにもあるのでdopamine neuron specificである可能性は低いと思うのだが。受容体については全くの不明の様子でほとんど触れられていない。ただ、作用が同程度でもよりspecificに働くのであれば、色々有望だと思う。

・発達期にdopamine neuronは(他のneuron同様)どんどん死んで行くのだが、その数はGdnfノックアウトマウスと野生型マウスでは特に差はない。従って、他のneurotrophic factorが関与しているのであろう。
 胎生時期にCDNFが発現していることからCDNFがdevelopmental stageにおいてdopamine neuronにneurotrophic factorとして効いている可能性はあるが、現時点では何とも言えない。

・当然パーキンソン病治療としての観点も書いてあるが、この論文自体ではパーキンソン様症状(行動)についての言及は全く無い。なお、どこかで誰かが「論文として出ている時点でもう遅い」と書いていたのをみたような気がする(勿論製薬企業という観点からですが)。
  1. 2007/07/18(水) 19:22:33|
  2. 論文
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「博士余り」解消へ「20%ルール」!?物理学会が提言 (070717追記)

 Yomiuri onlineより
 

若手の研究者は、仕事時間の20%を自由に使って好きな研究を――。日本物理学会(坂東昌子会長)が、こんなユニークな提言を発表する。
 背景には、博士号を取得しても、希望する研究職につけない「博士余り」の問題がある。若手博士の視野と発想力を広げ、企業など幅広い分野で活躍させるのが狙いだ。


 若手博士の視野と発想力が広がったら企業側は採用してくれるのですか?企業側がそのことをちゃんと判断できるのですか?企業側の枠が狭いままならば20%の時間を自由に使えても結局就職できない可能性も十分あります。それだったら20%の時間も結局普段の研究に使うことになるでしょう(アカポスに就くには業績が必要なため)。少なくとも僕ならそうしてしまうと思う。こんなことを言っているから博士は視野が狭いとか言われそうですが(まだ博士号は無いし…)。

 坂東会長は「若手に新しいことに挑戦する時間を与え、学問の幅を広げることで就職先を増やしたい。若手を雇用、指導する側の意識改革が必要」と訴える。同学会では、他の学会などにも呼びかけ、「20%ルール」を広めていく。


 指導する側が本当に変わるんですか?アカポスは業績が必要ですよね(十分条件ではないが)。そうするとボスからするとアウトプット(労働力)が低下するのは非常に懸念すべき事項ですよね。国内外の競争にも負けてしまう可能性も高くなります。それを踏まえた上で本当に20%の時間を自由に使わせてもらえるのか、非常に疑問です。確かにGoogleでそのようなことを行って、GmailやGoogle Newsが産み出されたということは聞いたことがありますが、同じアナロジーが大学院に通用するのでしょうか?まあ試みとしては良いと思うのですが、指導する側に「20%の時間を遊んでいるんだからその分睡眠時間を削って研究しろ」という意識が無いことを願います。

 博士余りは、産業界の受け皿が少ない生物科学と、物理などの基礎科学分野で深刻。大学院の博士課程進学者は2003年度をピークに減少するなど、博士離れも生じている。


 博士離れは当然でしょう、薬学系はまだまたいい方だと思いますが。それよりあえて「生物科学の受け皿が少ない」ということを書いたのが気になります。いや、勿論企業就職に関しては枠が小さいのは身をもって体験しましたが、人文科学、社会科学などと比べても少ないということは無いと思います。むしろ文系の方が大変でしょう。それとも母集団の人数が違い過ぎるから単純には比較できないのでしょうか?または自然科学しか視野に無いのでしょうか?
 文系博士、出口ないトンネル(Yomiuri onlineより)

「論文を書く時間がなく常勤職に応募もできない。任期付きでも雇用があるだけ理系博士は恵まれている」と、この男性は嘆く。


 ただどちらがどうとかでは無く、次のことが重要。同じく「文系博士、出口ないトンネル」より

漂う博士の現状を放置すれば、若い世代に間違ったメッセージを送ることになりかねない。


 別に必要以上に悲観的になることは無いと思う。こういう先生もいらっしゃるようだが僕は他人が博士課程に進むことを勧めもしないが止めもしない。重要なのは実態を知ること、そして実態を知った上で決断をすること。勿論決断できる環境下におかれていることが前提なのだが…。



(070717昼追記)
 若干酔い過ぎた勢いで書いてしまったので文章が雑ですが、言いたいことは(部分的にですが)言えているのでこのままにしておきます。
  1. 2007/07/17(火) 00:57:27|
  2. 博士・ポスドク問題
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新規神経栄養因子CDNFは中脳ドーパミンニューロンを保護、救済する(1)

元論文はこちら

Novel neurotrophic factor CDNF protects and rescues midbrain dopamine neurons in vivo
Lindholm P, Voutilainen MH, Laurén J, Peränen J, Leppänen VM, Andressoo JO, Lindahl M, Janhunen S, Kalkkinen N, Timmusk T, Tuominen RK, Saarma M.
Nature. 2007 Jul 5;448(7149):73-7.

先に結果を述べてしまうと主な報告として

・CDNFの発見と発現時期・分布の解明
・CDNFの作用の解明

が挙げられる。なおCDNF=conserved dopamine neurotrophic factorである。「これは新しくない」と勘違いした人(僕です…)、既知だったのはCNTFです。
 それほど難しくない、というか話自体は簡単な論文だが、理解できなかった実験があった。それについてのお勉強。
 まず必要事項としてアンフェタミンの作用機序。いかにもな構造をしているが、ノルアドレナリンとドーパミンの放出促進作用と再取り込み抑制作用がある。
 またパーキンソンモデルマウスの作成には6-OHDA (6-hydroxydopamine)を用いている。6-OHDAはドーパミンおよびノルアドレナリン作動性神経細胞を選択的に除去する。
 良く分からなかったのがFig.3a、3k、4b、いずれも同じ実験系を用いているのでその実験系について。
 6-OHDAを投与したマウスにアンフェタミンを投与し、その行動を見ている。そのマウスの特徴的な行動として"ipsilateral rotation"があり、これを定量している("ipsilateral"なのは、injectionそのものがunilateralなため、だと思う)。これ自体はよく用いられているらしい。
例えば

Amphetamine induced rotation in the assessment of lesions and grafts in the unilateral rat model of Parkinson's disease Amphetamine induced rotation in the assessment of lesions and grafts in the unilateral rat model of Parkinson's disease.
Torres EM, Dunnett SB.
Eur Neuropsychopharmacol. 2007 Feb;17(3):206-14.

などで

In the unilateral rat model of Parkinson's disease (PD), amphetamine induced rotation is widely used as an index of both lesion deficits and of graft-derived recovery


ということらしい。なおrotationがドーパミン依存性であることは納得できる。
 Lesionを受けるとアンフェタミンによるrotationが増え、recoveryするとrotationが減る。これがよく分からなかった。6-OHDA投与でドーパミン、ノルアドレナリン作動性ニューロンが減ってしまうのならば、アンフェタミンにより遊離が促進されるドーパミンの量も減る。当然ドーパミンニューロンがrecoverした場合は遊離されるドーパミンの量が増える。従って6-OHDA群のみ投与した群と6-OHDAを投与し、recoverした群を比べると6-OHDAのみを投与した群ではrotationは減るのではないだろうか?ところが、実際には6-OHDAのみの投与でアンフェタミン投与により惹起されるrotationは増える。

 この原因ではないかと思われるのが"supersensitivity"。分かりやすかった説明がこちらの「第11章 自律神経系」の「自律神経線維を絶たれた器官の感受性の回復、自律神経系の再生」

交感神経の節後線維や交感神経節を摘出して交感神経支配を除いた場合、その標的器官では術後1-2週間のうちにノルアドレナリンやアドレナリンに対する感受性が高まることが知られている。
(中略)
標的器官のアドレナリンに対する感受性が亢進することをsupersensitivityという。この現象はアドレナリン作働性神経系に限らず、コリン作働性神経系でも同様に見られる。


 これは、ある受容体のに対するリガンドが減少(この論文の場合は6-OHDAによりドーパミンが減少する)したとき、受容体を増やすなど感受性を上げることによりinputを維持しようとする(なお、6-OHDAによりDA neuronは減っているが、無くなってはいない)。そこに大量のリガンド(この論文の場合は遊離されたドーパミン)がやってくると強く反応する、という話。それがrecoverした場合と比べてどうなのかは正直よく分からないが。

 ただ、同じような話で良く効くのがレセルピン。プレシナプスのノルアドレナリンが枯渇することによりポストシナプスでのノルアドレナリンに対する感受性が増大する(*1)。

 話をアンフェタミンに戻すとD1、D2いずれのantagonist単独ではrotationは抑えられず、両方を投与した時にのみ抑えられる。

Mechanisms of amphetamine-induced rotation in rats with unilateral intrastriatal grafts of embryonic dopaminergic neurons: a pharmacological and biochemical analysis.
Herman JP, Rouge-Pont F, Le Moal M, Abrous DN. Neuroscience. 1993 Apr;53(4):1083-95.

 当然この論文でも"intrastriatal grafts of embryonic dopaminergic neuron"でamphetamine-induced rotationが減少する。

 イマイチしっくりこないが、どうやらこういう理由によるものだと思う。本論については次回。

(*1)
レセルピン
血圧降下剤として処方されている。
当然だが、副作用として抑うつ作用があると書いてある。よくうつモデルマウスを作成する際にも用いられる。
  1. 2007/07/16(月) 16:45:42|
  2. 論文
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田辺三菱製薬

 出遅れた感じですが、一応書いておきます。
 Nikkei Netより

田辺製薬、三菱ウェルファーマとの合併承認・国内6位に
 田辺製薬は26日午前、大阪市内の本社で定時株主総会を開き、三菱ウェルファーマ(大阪市)と10月1日付で合併することを賛成多数で承認した。合併新会社「田辺三菱製薬」の初代社長に就任する田辺製薬の葉山夏樹社長は、「海外事業の展開を加速しつつ、国内の事業基盤を一層強化できる」と合併の狙いを説明した。
(中略)
 新会社は国内製薬6位となる。2010年度に売上高4800億円、営業利益は1000億円を目指す。(14:01)


 海外事業に関してはYomiuri Onlineに書いてある。
 

田辺製薬と三菱ウェルファーマ(大阪市)が10月に合併して発足する新会社、田辺三菱製薬の社長に就任する葉山夏樹・田辺製薬社長は5日、読売新聞のインタビューに応じ、合併後の新会社で中国事業を強化していく方針を明らかにした。現在、両社で計約700人の中国の人員を、2010年度末までに約200人増員、中国での売上高も計45億円から100億円へと倍増させる。


 田辺製薬+三菱ウェルファーマ=田辺三菱 ということですが、辿っていくと結構ごちゃごちゃしています。
 三菱ウェルファーマ=三菱東京製薬+ウェルファイドですが、三菱東京製薬=三菱化学の医薬事業部+東京田辺製薬、ウェルファイド=吉富製薬+ミドリ十字です。ミドリ十字は…単純に「知名度」と言う点では日本で一番有名だと思いますが…。さらに辿ると旧731部隊あたりまで辿りつく。東京田辺製薬は1900年代初頭に田邊五兵衛商店(現在の田辺製薬)から独立した、ということらしいです。ということで一世紀を経てまた一緒になるということ。また、旧吉富製薬は武田薬品工業系の会社で中枢の薬が主力だったはず、クロルプロマジンとか。

どちらも海外比率が高くないということですが、国内は薬価改定、ジェネリックということで海外進出は必須。そういうことで海外事業を強化するのでしょう。田辺に関してはジェネリックにも参入するということで、色々積極的に動いているように思えます。パイプラインを分析すればどういう会社になりそうか、将来像が見えてくると思いますが、いずれちゃんと調べようと思います。
 なお、合併の最初の報道が今年の2月でしたが、研究室の卒業生で田辺に勤めている人に聞いたところ、例に漏れず、新聞で初めて知ったとのこと。
 大きければ良いというものでは無いと思いますが、今後も続くのでしょう。


2007/11/23追記
田辺三菱関連の記事はこちらもどうぞ…。
『日々の戯言~研究とか薬とかST250とか~ 田辺三菱製薬の研究員がいらっしゃった』(2007/09/28)

『日々の戯言~研究とか薬とかST250とか~ 田辺三菱製薬』(2007/08/18)


  1. 2007/07/15(日) 21:09:38|
  2. 薬・製薬会社
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ツーリング~野島崎~

 相変わらずテンションが低いので久しぶりにSTさんの話、と言ってもとりあえず昔のツーリングについて。

時期:2007年2月
目的地:とりあえず野島崎、岬めぐりが好きなので是非いってみたかったところ。あと冬は凍結している地域もあるので必然的に南へというのもあります。

本格的な遠出は8月の奥秩父以来ですが、就職活動などがあったので乗れませでした。ちょこちょこは乗っていたのですが寒かったし…。

家(8:00発)(注1)

R357/14

R16

R127(注2)

R410(注3)

野島崎灯台(13:20着) (注4)

R410で君津のあたりまで(注5)

R16 (注6)

帰宅(19:30着)
走行距離321km


(注1)
8時発…遅い。でもかなり寒かった気がする。

(注2)
内房の海岸線を走っていたら右側に何かが。
P1000502.png

良く眼を凝らしてみると…。
P1000503.png


富士山!
冬で空気が澄んでいるし、位置関係などを考えると見えても不思議ではないのだが、感激。

その後「道の駅とみうら」びわソフトを食す。さっぱりして美味しかったが余計寒くなった。

(注3)
フラワーラインだが、所々にしか咲いてはいなかった。
P1000529.jpg


(注4)
房総最南端の岬に到着。しかし、灯台と数軒の食事処以外何もなかった。そんなもんですかね。犬吠埼とは随分違う…。
P1000511.png

小道を抜けると灯台に辿りつく。
P1000522.png

灯台の上からの写真。晴れていたが若干風が強かった。残念ながらここから富士山は見えず…。

(注5)
道に迷った。厳密には国道410号を通ったわけではないのだが、今でもどこを通ったのか分からない。

(注6)
かなり寒かったのは覚えている。厚着していったのだが夜になるとキツイ。

 なおこの時点で購入10ヶ月ながら総走行距離1833km。もっと乗りたい…という状態だったはず。今も乗りたいのですが…。

ツーリングの目次はこちら


  1. 2007/07/14(土) 21:27:06|
  2. ST250
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やけど (burn)

 先週やけどした。明らかに不注意。身をもって体験してから勉強すると覚えやすい。

 皮膚は表面から表皮、真皮、皮下組織に分かれる。表皮のやけどは大したことがないが、真皮がダメージを受けると水ぶくれにができ強い痛みが生じる。今回は水ぶくれもできないのでおそらく表皮だけ、軽いやけどだ。以下は軽いやけどについて。
 対処法としてはとりあえず冷やすこと。消毒などよりもとにかく冷やす。流水がいいということを聞いたが、とりあえず氷水に患部を浸けた。
冷たくて痛い…。

タイムリーにもNatureに冷たさを感知する論文が載っていた。

The menthol receptor TRPM8 is the principal detector of environmental cold.
Bautista DM et al. Nature 448, 204-208 (12 July 2007)
 見てもいませんが、次の論文から話がどう発展したのかが気になる。というよりタイトルだけだとなぜ今さらNatureなのかがよく分からない。おそらく"environmental"というのが重要なのではないかと。まあ読みます。
A TRP channel that senses cold stimuli and menthol
Peier AM et al. Cell. 2002 Mar 8;108(5):705-15.

そんなことよりやけど、というより氷水に浸けると痛い。
何故だ?

Sensory neuron sodium channel Nav1.8 is essential for pain at low temperatures.
Zimmermann K et al. Nature. 2007 Jun 14;447(7146):855-8

寒いときの痛覚にNav1.8が必要だって書いてある。こいつか、痛みの元凶は?(違う)。論文は寒い/冷たい時の痛覚伝導についてですが、感覚としては冷たさそのものが痛みの様に感じました。なんなんだこれは?

 脱線してしまうとNav1.8やNav1.9はテトロドトキシン非感受性、でサキシトキシン感受性。Nav1.2がテトロドトキシン感受性。
Nav1.9で一時期話題になった論文。
Neurotrophin-evoked depolarization requires the sodium channel Na(V)1.9.
Blum A et al. Nature. 2002 Oct 17;419(6908):687-93.
 この論文については色々噂を聞きました。論文が出た当初Mu-Ming Pooが「再現性が取れない」と怒っていたとか怒っていないとか。今では論文が出たラボ(Konnerthのところですが)でも再現が…とか。全部根も葉もありませんが。

まあそれはともかくとしてやけど。漢方薬は良く分からないのですが、基本的に化膿を予防するための塗り薬だ。OTC薬局で働いていた時は基本的にテラマイシンを渡していた。駆け込んで来た人もいたが、とりあえず冷やすことをすすめた。冷えピタでいいのか?と聞かれたこともあったが、やけどには使ってはいけないと裏に書いてあったはず。

笑ってしまったのが「コス小児科」のQ&A。

◆それ以外、なにも塗らない

馬油、みそなどを塗るという言い伝えがありますが、害あって効無しです。


アロエしか聞いたことがなかったが、みそは塗っても駄目だろう。

…結局冷やすことが重要だということ以外は良く分からなかった。
  1. 2007/07/13(金) 22:51:00|
  2. 戯言
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たんぱく3000後、30人のPDが未就職

 Biotechnology Japanより

理化学研究所、たんぱく質3000プロジェクト終了後も、未就職PDが30人に上ることを公表

 理化学研究所は、2007年7月9日、第2回科学技術関係人材のキャリアパス多様化促進事業連絡協議会(文部科学省主催)で、たんぱく質3000プロジェクト終了後、現在に至るまで未就職のポスドクが30人以上存在することを明らかにした。今後、”ミレニアム・ポストミレニアム・バブル”の終了に伴い任期制の大型プロジェクトの解消が相次ぐが、こうした状況に対して先手を打たないと、雇用のミスマッチが生じることの警鐘となった。


 「警鐘」どころの話では無いだろう。でもポスドクは増えている。
産経新聞より

「博士」も定職が見つけられず…ポストドクター1万5000人超

 大学院で博士号を取得したものの、研究機関や企業から正規採用されずに研究を続ける「ポストドクター」が、全国で1万5000人超に達したことが10日、文部科学省の調査で分かった。平成17年度中のポストドクターは1万5496人で、前年度より642人(4.3%)増加。「博士」になりながら定職が見つけられず、修行を続ける研究者が多い実態が浮き彫りになった格好だ。
(中略)
 文科省では「ポストドクターを正規雇用するよう、民間企業にも促していきたい」としている。

(2007/07/10 21:42)


 文科省の産めや増やせや政策で博士号取得者の数は増えたが雇用先が足りなくなったので民間に押し付けようとしている。しかし、先日のクローズアップ現代で「味の素がポスドクを採用しようとして40人の選考をしたけれども、適格者がみつからなかった」と放送されていた(らしい)。本当に適格者がいなかったのかスタンスだけ「募集していますよ」なのかは分からないが、どちらにせよ採用されない。
 でもたんぱく3000だけではなく、これから任期の切れたCOEポスドクとかもどんどん出てくるんですよね?さらに未就職の人が増えるのでしょうか?また、博士課程での就職というのは(分野を選んでしまうと)厳しいと言うのも実情。それらの事実を鑑みると自ずと答えは出てくる。


  1. 2007/07/12(木) 21:09:36|
  2. 博士・ポスドク問題
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燃焼系ホルモンは脂肪蓄積ホルモンでもある


 最近の自分自身のbehaviorが明らかにdepression-likeだし、記事の内容も若干変なので軽い話題を。ダイエッターとして気になる話。

 Nikkei Net (日本経済新聞社)より

筋肉では脂肪燃やすホルモン、脳では蓄積を指示・東大など解明
 筋肉では脂肪燃やすホルモン、脳では蓄積を指示東京大学医学部の門脇孝教授らの研究チームは、筋肉で脂肪燃焼させるホルモン「アディポネクチン」が、脳では逆に食欲を増し脂肪をためる働きをすることを突き止めた。門脇教授は「飢餓のときにも活動エネルギーをつくるため、違う働きをしている可能性がある」と説明している。
 研究チームはマウスの脳の髄液や血液に含まれる量などを調べた。絶食状態のマウスでは、髄液中のアディポネクチンが増えて食欲にかかわるたんぱく質の働きを活発にし、食欲が増した。餌を与えると量が減って、食欲が衰えた。また、髄液中の量が増えると体のエネルギー消費が減ることも確認した。(07:00)


論文は多分これ。
Adiponectin Stimulates AMP-Activated Protein Kinase in the Hypothalamus and Increases Food Intake.
Kubota N et al. Cell Metab. 2007 Jul 11;6(1):55-68.

 食欲などは視床下部が重要だということは知っていましたが細かくは「視床下部正中隆起弓状核(arcuate nucleus of hypothalamus)」というところが摂食に関わるらしい。抹消で脂肪燃焼させ、中枢で摂食を亢進させるということの生理的意義はともかくとして、摂食に関してはオレキシンと似ている気がする。今でこそオレキシンはナルコレプシーなど睡眠関連のタンパク質として注目されているけれど、当初は摂食関連のタンパク質として発見されたはず。

 食欲減退薬について調べてみたらマジンドール(商品名サノレックス)とシブトラミン(商品名メリディア、国内未承認)が引っかかってきました。前者がノルアドレナリンの再取り込み抑制、後者がノルアドレナリンとセロトニンの再取り込み抑制がメカニズムらしい。
 基本的に抗うつ剤と同じような薬理作用なんですね(注1)、おそらく交感神経を働かせて胃腸の働きを抑制しようということなのでしょうか?でもこれだと空腹感は満たされない、そこでセロトニン。セロトニンは食後に上昇するらしいのでセロトニンを増やしておけば空腹感が無くなるということらしい(人の受け売りですが)。

 大型化しそうな新薬が「アコンプリア」(一般名リモナバント)、サノフィ・アベンティスの薬。作用機序としてはカンナビノイド受容体CB1 receptorの阻害によると考えられている。EUでは承認されているがFDAでは却下、日本ではPhase IIだかIIIだからしい。FDAでだめだったのは不安やうつを誘発し自殺率が上昇してしまうかららしいが、CB1 receptorのantagonistだからそうなるのもわからんではない。高血圧で使われるレセルピンも似たようなことがあったはず…。

 さらに脱線すると海馬のGABAergic neuronのpresynaptic terminalにもCB1Rが存在する。論文も多く、結構重要だと思うのだが特に記憶障害などの副作用はないみたい。

 日本でもメタボリックが…という話は聞きますが、アメリカ(アトランタ)は比べ物にならないくらい凄かった。また、学会会場の中と外でもずいぶんと違った。

(注1)
「シブトラミン」と言う名前とSNRIという作用から三環系(イミプラミンデシプラミンクロミプラミンなど)だと思ったが、どうも構造が違う

  1. 2007/07/11(水) 21:13:30|
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異常型プリオンタンパク抑制物質の発見

 中日新聞より
 元論文はこちら。
Hot spots in prion protein for pathogenic conversion
Kuwata K et al. Proc. Natl. Acad. Sci. (Published online before print July 6, 2007)

 ぱっと見ただけですが…。
 記事には書いていないが32万個の化合物からスクリーニングした(HTS?)。そのなかからGN8という化合物を見出した。
 異常型プリオン蛋白を発現する培養神経細胞にGN8を適用すると異常型プリオン蛋白の発現量が低下すること、異常型プリオン蛋白を発現するマウスにGN8を投与するとsaline投与群に比べ生存期間が延びる、ということが主な発見。あとNMRでアミノ酸残基の距離を測定している(のかな?)。異常型プリオンタンパクは正常型と異なるコンフォメーションをとるが、GN8はそれを正常型の様に戻す。
 プリオン仮説について

プリオンが体内へ取り込まれると、哺乳動物の脳・脊髄を中心に分布する蛋白質の一種であるαヘリックスに富んだ正常プリオン蛋白の立体構造がβシートに富んだ異常プリオン蛋白の立体構造に変換されてしまうと考えられている。つまり、遺伝子でコードされた蛋白質のアミノ酸配列が変化するのではなく、同じアミノ酸配列を保ちながらペプチド鎖の折りたたみ構造が変換されてしまうのである。


ということでそのコンフォメーションが重要らしい、だからこそ今回の化合物の発見が重要なのかもしれない。

 なお狂牛病が一時期話題になっていたが(吉牛狂想曲など)、ヒトでは変異型クロイツフェルト・ヤコブ病が一つの例になるのだろう。また、英国で狂牛病が流行っていたころに滞在していた人は感染している可能性が無いわけでは無いので献血ができない。

1980年から1996年の間に英国に1日以上滞在された方からの献血見合わせ措置に関するQ&A(厚生労働省)

Q1  なぜ、今回の献血制限を実施するのですか。
A.  今回の献血制限は、我が国で第1例となる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(※1)(vCJD)患者が1990年に24日程度の英国滞在歴を有し、英国での感染が有力とされたことから、輸血によるvCJDの感染を防ぐために、予防的措置として実施するものです。
 個々の英国滞在者の感染のリスクは低いと考えられていますが、 (1) vCJDが輸血により感染する可能性があること
(2) 輸血用の血液にvCJDの病原体(異常プリオン蛋白)が含まれているかどうかを検査する方法は、現在のところ存在しないこと
(3) vCJDの感染に要する滞在期間が不明なこと
から、予防的な観点に立った暫定的な措置として、相対的にリスクのある(※2)と考えられる1980年から1996年の間に1日以上の英国滞在歴を有する方からの献血を、しばらくの間、御遠慮いただくこととしました。

Q2  過去に英国に滞在したことがある人は、全員献血できないのですか。
A.  過去に英国滞在歴のある方のうち、献血を御遠慮いただくのは次の方々となっており、1日以上滞在歴のある方全員が献血制限の措置の対象になる訳ではありません。2005年1月以降に英国に滞在された方については、献血制限はありません。

(過去に英国滞在歴のある方のうち、献血を御遠慮いただく方)
(1)  1980年から1996年の間に、1日以上滞在した方
(2)  1997年から2004年の間に、6ヶ月以上滞在した方


 僕はQ2の(1)に該当する。昔は街で献血の呼びかけをされると何とも言えない気持になっていた。
 最近はもう慣れてしまった。

  1. 2007/07/10(火) 21:47:34|
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「後発薬2倍に」政府方針…製薬業界に波紋

 Yomiuri on lineより。

■「新薬市場1兆円近く縮小」も…企業再編後押しか
 政府が、新薬と有効成分は同じだが価格が安い後発(ジェネリック)医薬品の医療用での使用量を、2012年度までに現在の2倍程度にする目標を打ち出した。国の医療費負担を軽くする狙いだが、実現すれば、新薬市場が1兆円近い規模で縮小するとの試算もあり、製薬業界に波紋を広げている。業界再編につながる可能性も指摘されている。
(中略)
 ある中堅新薬メーカーの幹部は、「革新的な新薬を作るか、後発薬を扱うか、それとも市場から退出するか、選択を迫られている」と危機感を募らせる。医薬品業界は、年間売上高5000億円を超える4強(武田薬品工業、第一三共、アステラス製薬、エーザイ)と中堅以下の業績の差が鮮明になってきている。水野氏は、「後発薬市場の拡大が、海外市場や有望な新薬候補などを持たない企業の再編を後押しする可能性がある」と見る。一方で、追い風が吹く後発薬メーカーは、沢井製薬が連結売上高を07年3月期の343億円から「数年後には1000億円にする」目標を掲げている。東和薬品も今期の設備投資額を前期比2倍の25億円に増やし、増産体制を整えるなど、業容拡大を急いでいる。

(2007年7月9日 読売新聞)


 業界再編が起こることは間違いないと思っていましたが、こういうことが引き金になるのかもしれないのですね。勘弁してほしい。
 ただ武田、第一三共(以下略)、も世界的に見たら大して大きな会社ではないのも事実。さらに国内市場が縮小するのならば、やってられません。
 新薬を作る(個人的には「創る」にしてほしい)か後発品を扱うか、市場から退出するか、ですが、最後のは結構ありだと思う。別に会社を解散するとかではなく、この国にこだわることもないと思います。見捨てるとか言うわけでなく、今以上に海外市場で勝負をするのもアリかな、と。勿論非常に厳しい場だと思いますが。現在の海外での売上比率が重要なのは間違いないでしょう。
 あと外資に勤めるという手もありますが、個人的には外資系企業の日本での研究所に勤めることはあまりお勧めしません。実際には一か所だけ、選考時期が非常に早かったので慣れるために受けました。でも危なさそうだと思っていたところは軒並み(ある意味予想通り)撤退しているので残っているところは大丈夫なのかもしれません。この辺についてもまたいずれ。
 製薬の研究職というのは、就職を希望するバイオ系の博士からすると結構行きたいところかもしれないです(「就職先としては王道」とか言っている人もいた)。僕もそうなのですが、それはそれで将来大変かもしれません。入社前に名前が変わっていたりして…。悲観はしていませんが、楽観もしていません。
  1. 2007/07/09(月) 19:23:40|
  2. 薬・製薬会社
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焦ってます

 何のかんのと偉そうなことを言っていますが、結構焦ってます。勿論D論についてです。6月中に終わるはずだった仕事(2件)が終わっていません。やばい、でも今月中に終わる予定なんです…。そもそも6月に終わる予定…。この2件がちゃんとでればそれなりにまとまった話になるので踏ん張りどころ。結構いっぱいいっぱいですが。
 たまにはこんなことを書いても許されるでしょう。来年度、これを読んで「あのころは必死だったな」と笑えるように。
 
  1. 2007/07/08(日) 22:55:14|
  2. 研究室
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「女性の方がおしゃべり」はウソ?

 こんなのでもカテゴリーは「論文」。一応Scienceだし。
 
論文はこちら。
Are Women Really More Talkative Than Men?
Science 6 July 2007: Vol. 317. no. 5834, p. 82

 朝のニュースでも誰かが言っていた。ここではITmedia Newsから引用。

 米アリゾナ大学は7月5日、「女性の方がおしゃべり」という通説を覆す研究結果を発表した。女性が発する単語の数は、1日当たり平均1万6215語だったのに対し、男性は平均1万5669語で、大きな差はみられないという。
(中略)
 これに対し、アリゾナ大学の研究結果では、男女差は1日500語程度。研究では、最もよく話す男性は4万7000語を話した一方、最も語数の少なかった男性は500語以下と、大きな個人差が見られ、「それに比べれば、500語の差などわずかなものだ」と、研究を行ったマティアス・R・メール助教授はコメントしている。
 メール助教授らは、会話のすべてをデジタルに記録するレコーダーを開発。米国とメキシコの男女大学生400人近くを対象に、6年間にわたり研究を行った。メール助教授は、研究対象が大学生だけに偏っている点を認めつつも、研究結果は、よく話すのは女性、との「都市伝説」を支持するものではない、としている。


 元論文では女性が16215語(SD 7301語)、男性が15669語(SD 8633語)とのこと(SDが書きたかっただけです)。

 洋の東西を問わず女性の方がよくしゃべると思われていたということが面白い。これだけでは単に発した言葉の量だけだが、話の中身まで定量することはできないので仕方ないのだろう。人の噂話の占める割合とかが算出できるのなら女性の方が多いと思うんだけどな。

 ニュースの文脈では一般に個人差が大きいという解釈をしていると思います。確かに男女ともに変動係数(CV: Coefficient of variation)が結構大きいのだが、計算すると男性の方が大きい。年次毎のデータも元論文に書いてあるが、CVは6サンプル中5サンプルで男性の方が大きい。残りの1サンプルは男女とも数が少なく、男性の平均値がやたら高くてSDが大きいので誰かおしゃべりがいたのかと予想。男性の方が女性に比べ個人差が大きい、ということも言えるのかも。しゃべる奴はしゃべるけどしゃべらない奴はしゃべらない、とか。

 あと約16000語というのが感覚的によく分からないのだが、どれ位なんだろうか?
  1. 2007/07/06(金) 20:40:21|
  2. 論文
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脳梗塞の新薬、t-PA

 昨日の夜報道ステーションを見ていたら脳梗塞新薬、とかいう話をしていた。t-PAのことかな、と思ったらt-PAのことだった。以前も何かの番組で見た気がする。

 まず脳梗塞について。脳の細動脈に血栓、凝固塊、脂肪塊、石灰片などが詰まると血流が止まってしまう。脳細胞に血液を介して栄養や酸素が送れないと細胞が死に、半身まひなどの後遺症や死亡につながる。これが脳梗塞らしい。
 脳梗塞に対する薬で、画期的かどうかは知らないけど、面白いなと思ったのがラジカット(エダラボン)。ラジカルスカベンジャーとして働き、細胞障害を防ぐという話。ラジカルをカットするという名前もそうですが、ラジカルスカベンジャーという発想がなかなか興味深いです。
 あと血小板関連となればプラビックスパナルジンでしょうか。昔調剤薬局でアルバイトをしていましたが、パナルジンは結構出ていた。
 開発中で、目玉になりそうなのが第一三共(旧三共)のプラスグレル(CS-747)。北米ではPhase IIIを開始しているとか。

 話は昨日の番組に、と言ってもそれほど難しいことは放送していなかった。運び込まれた患者さんにt-PAを投与すると、動かせなかった左半身が動くようになったということ。実際に映像で見ると結構すごい。t-PAの問題点として投与できる時間が限られていること。一度詰まってしまった血管は時間が経つにつれ脆くなると言っていた(おそらく血管内皮細胞が死んでいくのだろう、良く分からないけど)。従ってあまりにも時間が経ち過ぎていると、いざt-PAを使っても血栓をとかして出血してしまい、かえって悪化する。従って梗塞を起こしてからの時間がcriticalになるのだが、3時間がリミット。また、本当に脳梗塞か否かを確認するためにCTなどいくつかの検査を受ける必要があり、それに一時間かかっていた。故に梗塞を起こしてから病院に搬入されるまでに二時間以内でなければならない。番組内の患者さんは国立循環器センターの近くに住んでいたのか、割と早めに運ばれて来た。ちゃんとした設備の整った病院がどのくらいあるのかわかりませんが、それだけ早く運び込まれうるところに住んでいる人はそれほど多くなかったりして。

全く関係ないけどt-PAとLTPの話。
Cleavage of proBDNF by tPA/plasmin is essential for long-term hippocampal plasticity.
Pang PT et al. Science. 2004 Oct 15;306(5695):487-91.
 BDNFはpro体として翻訳されるが、furinなどのproteaseにより切断され、mature BDNFになる。Furinだけでなくt-PAで活性化されるplasminでも切断され、それがL-LTPの維持に必要、というお話。

t-PA…tissue plasminogen activator
  1. 2007/07/05(木) 21:00:39|
  2. 薬・製薬会社
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クローズアップ現代

 最初に言ってしまうと、見ていません。実験でいっぱいっぱいでした。

[ ]内引用者注

[2007年]7月3日(火)放送
にっぽんの“頭脳”はいかせるか
~苦悩する
博士たち~

今、「博士号」を取得しても、希望の職に就けない人が急増している。90年代に国が科学振興の一貫として博士課程の学生数を2倍以上に増やしたにもかかわらず、大学でのポストが増えないからだ。欧米では産・学が緊密に連携し、"ドクター"が、最先端の技術開発をひっぱっているのと対照的である。不安定な身分のまま働き、中には40歳になっても年収は400万円、企業への就職もできず、派遣社員として生活している人もいる。番組では、日本の頭脳・ポスドクたちを取り巻く厳しい現状と、"頭脳"を活かせない日本の問題点を探る。(NO.2437)


 それほど特筆するようなことを言っていたわけではないようですが、非研究者に現状を知ってもらうこと必要だと思います。博士に進学するならそれなりに覚悟が必要、就職活動するかどうかを迷っている研究室のM1にはよく考えるよう言っています。
 自分は、というとあまり考えずに進学してしまいました。修士で卒業してしまうとかなり中途半端だという思いと「自分はどうにかなるだろう」という甘えがありました。

 話は違うのですが、薬学部は新設ラッシュです。今薬学部に入る人たちが卒業するころには過剰になっていると言われています、そう、正に今の博士のように。そんな中で慶応大学と統合することになっている共立薬科の人気が高まっているようです。「慶応大学薬学部」と呼ばれるようになるのかどうかは知りませんが、安易な気持ちで薬剤師を目指すことはお勧めしません。慶大生とか言っていられる6年間は良いのかもしれないが、その後が大変だと思いますよ。別に共立薬科に限った話ではありませんが、「手に職を」とか言って(薬剤師を)選ぶ時代では無いと思う。

  1. 2007/07/04(水) 20:00:40|
  2. 博士・ポスドク問題
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孤発性アルツハイマー病

昨日の続きというか孤発性アルツハイマー病について。少し前の論文だけど、「孤発性アルツハイマー病の原因解明に大きく前進」
元論文
Metabolic regulation of brain Abeta by neprilysin.
Iwata N et al. Science. 2001 May 25;292(5521):1550-2.

 理研の西道先生のグループ。なお西道隆臣先生は"Saido TC"と表記されている。Tは隆臣のTだが、Cは高校生の時のホームステー先のfamily nameらしい。具体的に聞いたのですがど忘れしてしまいました。
 「原因解明へ」というのは若干違うような気がしますが、それはともかくとしてneprilysinによりアミロイドベータが分解されるという話。ではneprilysinの活性調節は?ということで続報。

Somatostatin regulates brain amyloid beta peptide Abeta42 through modulation of proteolytic degradation.
Saito T et al. Nat Med. 2005 Apr;11(4):434-9.

 加齢によりソマトスタチンが減少するらしいのだが、neprilysinはソマトスタチンにより活性制御を受ける。ではソマトスタチンを増やせば良いのではということで薬を開発する(一概に増やせばいいのか、と言うとそうでも無い気がしますが。このへんのsenseがまだ無いので分かりません)。
 FK962は旧藤沢薬品工業の薬、正確には薬の候補。作用としてはソマトスタチン遊離促進としかわからないので本当にneprilysinをターゲットにしているのか否かは分からない(個人的にはそう解釈していましたが、どうも違うみたいです。海馬のシナプス可塑性への作用を狙ったものらしい)。
 また、痴呆症だけでなく、cognitive enhancerとしても作用あり。

FK962, a novel enhancer of somatostatin release, exerts cognitive-enhancing actions in rats
Tokita K et al. Eur J Pharmacol. 2005 Dec 19;527(1-3):111-20.

しかし、この薬候補、Phase IIでこけてしまった。
アステラス製薬アルツハイマー型痴呆症治療薬「FK962」を開発中止
結局有効性が認められなかったということらしい。なかなか上手く行かない。
  1. 2007/07/03(火) 22:40:27|
  2. 薬・製薬会社
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Genome wide assciation studiesの問題点

 Problems with genome-wide association studies
Science 2007年6月29日号

 Genome wide association (GWA) studyについて

 ここ数年間でのGWA研究で、obesity (肥満)、cardiovascular disease (心臓血管の疾患)、type II diabetes (II種糖尿病)などについてScienceに7報あり。このうち4報はsingle genetic variantかsingle cluster of highly correlated genetic variantsと報告、3報はそれぞれ数種のnew genetic associationsと報告。
しかし、問題点が幾つか。

・表現形の解析は非常に複雑である、というのは複数の遺伝的要因、環境要因、そしてそれらのinteractionなどが考えられる。従って、GWAは「hypothesis generating」と言われているが、莫大な費用がかかる割には産み出される「仮説」が少ない。果たしてcostに見合う十分なreturnがあるのか?

・100Kにも及ぶSNP解析を詳細に行うのにはサンプル数が少ない。「仮説」を産み出すにはinitial screeningのサンプル数が重要なのだが、それが不十分の場合もある。

・再現できないことがある。あるcommon diseaseがcommon riskに因るのならば、populationに依らず再現できるはず。しかしある特定のpopulationのみのriskが存在するのならば、それは他のpopulationでは再現できない。再現できなかったとしてもそれは偽陽性ではなく、そのpopulation-specific riskであるとも考えられる(偽陽性の可能性もある)。話は違うが、再現性の問題としてXBP1の例など。

故に

family data may be more informative than population data for identifying individual risks resulting from a complex combination of genetic and environmental factors and interactions.


という話なのだが、これこそ例数が足りないのではないかと思ってしまう(遺伝的要因の強さにもよるのだが)。もちろんこのような方法で明らかになったものはある、DISC1やparkin、DJ-1などはそうじゃないのかな。ただそうではない、孤発例もある。アルツハイマー病などはfamilialよりsporadicの方が遥かに多い、その人たちは…?

 昨日の夜「明日の記憶」を見ながら思った(こちらは若年性アルツハイマー病でしたが)。
 あ、映画は良かったです。家の小さなテレビではなく、映画館のスクリーンで見たかったかも。

  1. 2007/07/02(月) 19:37:46|
  2. 論文
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雑感

 最近思う、研究室の雰囲気が変わった。比較対象は僕が研究室に入ったころ、五年前だ。変わって当たり前か。変わったのは自分自身もかもしれない。

People are strange when you're stranger.
(よそものになったら、人々が奇妙に見える) 

別にstrangeでもなければstrangerでもないが、ニュアンスとしては適当。

We must change to remain the same. 
(変わらずに残るためには、変わらなければならない)


ということなのか?

 M1の後輩が進路を考えるころ。就職活動をすることを決めた後輩には厳しいぞ、と言っておいた。事実厳しいと思う、何が採用基準なのか未だに分からない。とりあえず伝えられることは伝えよう。

 金曜日の夜はとてもexciteした。将棋名人戦第七局、森内名人が防衛し永世名人に。最終盤は訳が分からなかったけれど最後は見事な収束。おめでとうございます。
  1. 2007/07/01(日) 17:03:30|
  2. 研究室
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プロフィール

ikettie

Author:ikettie

・博士号(薬学)取得後、とある製薬企業の研究者になりました。
・大学と企業の違いに戸惑いながら日々の思考の変化を追っています。
・コメントお待ちしております。
・初めての方はこちらへどうぞ(070824改編)
・検索エンジンから「ST250」でいらした方はこちらへどうぞ

・ツーリングの目次はこちらです。
・トップ画像の拡大写真はこちら。2010年5月3日@萩ユースホステルからの夕日です。夕日を見送るのが好きなので、良くツーリング先で夕日を見送っています。



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