日々の戯言~研究とか薬とかST250とか~

その他ダイエットや就職活動記など色々な出来事の備忘録

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きっかけ

 6月30日ということで今年ももう半分が過ぎてしまいました。このサイトも始めて約三ヶ月が経ちました。前にもどこかで書いたのですが、小学校のころの「夏休みの日記」は8/30に全部書いていた(流石に8/31ではありませんでした)のでこれだけ続いているのは驚異的です。
 Weblogなるものは以前もつまんだことがあったのですが、すぐにやめてしまいました。Webだから続けられるのでは無いと思います。
以前は

なるべく質の高いものを書こう、という意気込み

時間がかかる

アップしてみるが、どうも(質に)納得できない

より質の高いものを、と思うが時間をかけても納得がいくものができない

段々面倒臭くなる

放置

思い出して削除

という経緯でした。

 今回は「質より頻度」ということで気軽に書いているので更新が続いているのだと思います。これは話題が散逸してしまうことと、質が低いというデメリットもあるのですが(高い質を保ったまま更新頻度が落ちない人もいますが、個人的にはこの位でちょうど良いです)、とりあえずはこのスタンスで続けてみようと思います。あと繰り返し見にきて下さる方々がいらっしゃるのは、ありがたいことだと思っています。
 元来ものぐさな私がなぜblohを始めたのか、ということですが、mixiでは若干の不都合を感じていたということがあります。
 ただ、直接のきっかけは「博士の生き方」のアンケートです。アンケートに答えさせて頂いたのですが、結果をみて自分自身の考え方が他の方の考え方と違う点があるのかもしれないと思いました。何の役にもたたないかもしれないが、色々な意見があっても良いだろう、と思い、個人的な経験を中心に書くことにしました。偉そうなことを分かったかのように書いていますが、本当は何も分かっていないのかもしれません(本音としては分かっているのか分かっていないのか、それが分かっていないと思います)。今後も折を見て書き綴る予定ですが、ご意見やご批判などお待ちしてます。今後ともよろしくお願いします。
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  1. 2007/06/30(土) 21:27:49|
  2. その他
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ドラえもん

 昨日の夜のニュースを見て呆れた。試しにGoogle Newsで「ドラえもん」と検索してみるとこんなことになっていた。これはあんまりだろう、ドラえもんに謝れ、とか言っている場合ではない。

 個人的には「被告の元少年」がどういう意図でこういうことを言ってしまうのか、その経緯に興味があります。本気で信じて貰えると思っているのでしょうか、それとも当時、本当にドラえもんが助けてくれると信じていたのでしょうか。もしかすると判断能力すらないのではと思ってしまう位陳腐な話です。それとも言われているような「弁護団の作文」なんでしょうか?意味不明です。
 あと母親が自殺されたという話ですが、状況は違いますが永山則夫のことを思い出しました。気の毒ではあるが、犯罪を正当化する理由にはならないと考えます。


 僕自身は事件の関係者ではないいので流されてくる情報を受取っているだけなのですが、どの放送局も同じようなことしか報道していません。まあ事実が事実なのだからそうなのかもしれないのですが、こうして国民感情が形成されるのかと感心。
 これで裁判員制度が始まって選ばれてしまったら、例え一般人が知りえない事実を知ったとしても、創られうる感情に流されそう。感情論と法律は別物だが、法律に無知な人間(僕ですよ)は感情に流されてしまう。

 でも裁判員制度の目的

裁判員制度は、「司法制度改革」の一環として導入された。国民が刑事裁判に参加することにより、裁判が身近で分かりやすいものとなり、司法に対する国民の信頼向上につながることが目的とされている。


からするとそれでもいいのかもと思う。法律に基づく量刑の妥当性などは分からないが一般の感情は分かっているつもり。それこそが報道により創り上げられた感情なのかもしれないが今回の裁判に呼ばれていたら間違いなく感情的になるだろう。すでに感情的になっているのかもしれない。
  1. 2007/06/28(木) 21:38:20|
  2. 戯言
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Neuroliginについて

 忙しいくて論文を読む時間がありません(言い訳しているくらいなら、こんな文章を書いていないで読めという声がしそう)。
 Neuronの最新号にneuroliginのことが載っていたので、適当に論文を検索、列挙。かなり漏れがあるはず。

Neuron 2007年6月21日号
Activity-Dependent Validation of Excitatory versus Inhibitory Synapses by Neuroligin-1 versus Neuroligin-2.
Chubykin AA et al., Neuron. 2007 Jun 21;54(6):919-31.

アブストだけメモ

 まずは培養神経細胞で。
・Neuroligin-1強制発現で興奮性シナプス応答増強、抑制性は変わらない。
・Neuroligin-2強制発現では抑制性が増強、興奮性は変わらない。
 ノックアウトマウスでもneuroligin-1ノックアウトではNMDAR/AMPAR比率が低下、neuroligin-2ノックアウトでは抑制性シナプス応答低下。NMDARおよびNMDARの下流にあるCaMKIIをchronicに抑制するとneuroligin-1のシナプス応答増強作用(興奮性かな?)が見られなくなる。一方general synaptic activityを抑える(tetrodotoxinだと思う)とneuroligin-2のシナプス応答増強作用(抑制性かな?)が見られなくなる。
で筆者達の主張。
・Neuroligins do not establish, but specify and validate, synapses via an activity-dependent mechanism, with different neuroligins acting on distinct types of synapses.
・Neuroligins contribute to the use-dependent formation of neural circuits.

あまりにも周辺知識がないのでコメントは省略。他の論文を調べておく。

Neuroliginが注目されているのは自閉症(autism)との関係。
Mutations of the X-linked genes encoding neuroligins NLGN3 and NLGN4 are associated with autism.
Jamain S et al., Nat Genet. 2003 May;34(1):27-9.

X-linked mental retardation and autism are associated with a mutation in the NLGN4 gene, a member of the neuroligin family.
Laumonnier F et al., Am J Hum Genet. 2004 Mar;74(3):552-7.


Neuroliginがどこで何をしているのか?

Binding of neuroligins to PSD-95
Irie M et al., Science. 1997 Sep 5;277(5331):1511-5.

Control of excitatory and inhibitory synapse formation by neuroligins.
Chih B et al., Science. 2005 Feb 25;307(5713):1324-8

Neuroligins determine synapse maturation and function.
Varoqueaux F et al., Neuron. 2006 Sep 21;51(6):741-54.


Mutation studiesから機能を探る。

A mutation linked with autism reveals a common mechanism of endoplasmic reticulum retention for the alpha,beta-hydrolase fold protein family.
De Jaco A et al., J Biol Chem. 2006 Apr 7;281(14):9667-76.

Dissection of synapse induction by neuroligins: effect of a neuroligin mutation associated with autism.
Chubykin AA et al., J Biol Chem. 2005 Jun 10;280(23):22365-74
今回のNeuronの論文と同じfirst author。NeuronにJBCですか…。

 やはりというべきかsynapse関連が多い。何がどうおかしくなっているのか?
  1. 2007/06/27(水) 20:35:40|
  2. 論文
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「兄や姉の方がIQ高い傾向」 ノルウェーの研究所

 元論文こちら、Science 2007年6月22日号。
Explaining the Relation Between Birth Order and Intelligence
未読なので朝日新聞の情報だけで感想を。
調査したのはノルウェーの研究所。
 

同チームは、ノルウェーの男子が18~19歳で受ける徴兵検査での知能テストを利用。この結果、第1子のIQは平均で103.2、第2子は101.2、第3子は100.0だった。一方、第2子でも幼少期に兄や姉を亡くしている子は102.9に、第3子でも上の2人を亡くしている子は102.6に上昇していた。 これらの結果から、IQの差は、実際に誕生した順という生物学的要因より、誕生順によって育てられ方が変わるという社会的要因が影響していると分析。米国の専門家は「年長の子どもは、弟や妹の家庭教師役を務めることが多いためだろう」と指摘している。


 IQの比較についてはWikipediaより
 

IQの数字は、あくまで知能の発達の早さを意味するものであり、異年齢の他人との数字の単純な比較によって直ちに天才的であるとか成人より高知能であるとかを断定することはできない。たとえば5歳の児童が、10歳の平均的な児童と同じ知能を示せば、IQは200になる。だから、IQ100の11歳児とIQ200の5歳児を比べれば、平均的な児童であるIQ100の11歳児の方が、突出して数字が良いIQ200の5歳児より知能は高いことになる。絶対値ではなく、月齢との相対値であることに留意しなければならない。


 ということで今回のScienceの論文に関しては「同月齢の場合、第1子の方が知能の発達が早い」ということでいいんですよね?
 研究自体は面白い、というよりすごい。20年以上にわたって24万人からデータを集めるというのは凄い労力だと思います。しかし、第一感、変な考察(社会的要因…という点については賛同、「家庭教師」というのは変)だと思います。と言うのも第1子が「家庭教師役を務める」のならば、教えてもらう第2、第3子は、教えてもらわない第1子より発達は早そうな気がします。実際には親が教えると思うのでその辺の差だったりして。
 後もう一点、勿論「家庭教師役を務める」も要素の一つかもしれけれど、それだけでは幼少期に兄や姉を亡くしているいる末っ子のIQが上がる理由を説明することはできません。また、この説が正ければ、一人っ子は教える相手がいないので弟・妹がいる第1子に比べ、当然IQが低くなります。あと幼少期に弟や妹を亡くした第1子のIQも弟・妹がいる第1子に比べIQが低くなるはず。

そうなの?
 記事だけでは肯定も否定もできないのですが、単に、親がどのくらい手をかけるか、だけの違いでは?子供はいないので想像でしかないのですが、第1子の方が手をかけるでしょう。そういう意味では「誕生順によって…」というのは合っているのかもしれない。
 いずれにせよノルウェーの子育て事情がよくわからないのでなんとも言えないのですが。
 しつこいけれど、標本についても。例数や分散などが不明なのでなんとも言えないのですが、この標本の平均は100より有意に高かったりするのでしょうか。少なくとも「103.2が101.2より高い」と言い切る位なので例数は十分あり(全部で24万人だし)、分散も小さいのでしょう。統計学はよく分かっていないのですが、この標本でいいのかと。
 読んでもいないくせに批評するのも問題ありですが、こんなんでいいのでしょうか。まあ現実的には2~3の差では特に影響がないと思います。

 ちなみに僕は第1子で弟/妹はいますが、あまりあてはまっていない気がします。特に教えもしなかったし。まあそもそもIQというものをイマイチ理解できていないのですが。
  1. 2007/06/26(火) 20:26:34|
  2. 論文
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Employing Japan's postdocs

日本のポスドク問題がNature jobsに載っていました。まあ今更感がありますが。

Osaka University in Japan recently surveyed 83 of its science and technology postdocs and found that more than 60% no longer wanted to be postdocs. More than 85% felt insecure about their careers.


 単純に比べることはできないのですが、総務省発表の転職希望率、これに比べれば60%というのはかなり高い値だと思います。
 余計なお世話かもしれませんが、やめて何をしたいのかが気になります。まさか「任期付きで将来が不安だからとりあえずもう嫌だ」だけではないと思いますが。まあ家族とかいたりするとそうも言ってられないのかもしれませんがそのあたりは未婚のikettieは分かりません。ただ、先が見えない、ということは本当に不安だと思います。ある程度の雇用は確保されているとは言え、再編の嵐が吹き荒れている製薬業界も先が見えません。あまり他人のことは言えない。
 85%の人が将来に不安があると答えていますが、残りの15%は?将来に不安がないという人がいるのは驚きです、誰しもある程度は不安なのでは?よほど輝かしい業績があるのか、楽観的な人なのか。

Today, some PhDs have taken as many as four different three-year jobs by the age of 40.


 たまにこういう方の話は聞きます。40だと子供とかもいらっしゃるのでしょう。大変だと思いますが頑張って下さい。
 ポスドク問題ではないのですが、最近テレビでよくネットカフェ難民について放映しています。結構同世代だったりしてあまり他人事ではありません。こちらで1970年代から1980年代初頭生まれは「氷河期世代」とか「貧乏くじ世代」とか「ロストジェネレーション」とか言われています。
酷いなあ。

 一般人(定義が曖昧ですが)の関心はどちらの方が高いのか?間違いなくネットカフェ難民の方ですね。いくらNatureに載ろうと一般人の目には触れないんだよなあ。うちの親とか「ポスドク」という単語すら知らないし(無知なだけかもしれないですが、それが実情だと思います)、ましてや任期付きだということを非研究者はどれだけ知っているのでしょうね。新聞などでも取り上げられているけどあまり浸透していない気がします。
 世知辛い世の中だ(結論はいつも一緒な気がする)。
  1. 2007/06/24(日) 17:13:13|
  2. 博士・ポスドク問題
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パーキンソン病治療にGABA

Yomiuri on lineより

パーキンソン治療に光明?米大学で症状改善に成功

臨床試験の初期段階で、対象の患者は12人だけだが、治療から1年たっても効果は持続している。詳細は23日付の英医学誌ランセットに発表する。

 研究チームは、神経の興奮を抑えるGABAという物質が、患者の脳内の視床下核という部分で不足することに着目。GABAの生成を促す酵素「GAD」の遺伝子を特殊なウイルスに組み込み、視床下核に入れた。注入は、半身の左右どちらかをつかさどる部分だけに行った。

 その結果、注入部位に対応する半身で、症状が12人とも緩和。パーキンソン病の重症度を表す点数が、注入前に比べて1年後には平均27%も下がった。ウイルスが細胞に感染し、GADを作り出しているらしく、副作用は見られない。

(2007年6月22日10時53分 読売新聞)



 恥ずかしながらパーキンソン治療にGABAが使われていることは全く知らなかった。Wikipediaに書いてあるくらいだからまあ常識なのだろう(ちゃんと読むと、どこにもGABAのことは書いていない。視床下核のことしか書いていないですが)。

 ちょっとお勉強。
 視床下核(subthalamic nucleus)は淡蒼球(Globus Pallidas)外節からGABAergic inputを、新皮質からGlutamatergic inputを受ける。視床下核の神経細胞はGlutamatergicで、黒質網様部と淡蒼球の内節にoutputする。

 視床下核にGADを入れると、どうなるのか?そもそも視床下核の細胞はグルタミン酸作動性らしのだが、そこにGADを入れるということなのかな?むしろ淡蒼球外節のGABA性ニューロンに入れる方がわかりやすいのだが。この黒質網様部へのグルタミン酸が抑えられる方向に働くのだろうかな。そもそも黒質網様部と、パーキンソン病でよく言われる黒質-線条体というのも違うものの様子。この辺の解剖学的なことはかなり調べられていると思うので改めて勉強することに。

 パーキンソン病患者のGlobus Pallidasに(Subthalamic nucleusではない!)GABA agonistを入れたという報告。
Injection of GABA-agonist into globus pallidus in patient with Parkinson's disease.
Penn RD et al. Lancet. 1998 Jan 31;351(9099):340-1

 同じくLancetの昔の報告ではゾルピデム(商品名マイスリー)をパーキンソン病患者に投与という報告。
Zolpidem in Parkinson's disease.
Daniele A et al. Lancet. 1997 Apr 26;349(9060):1222-3.

 どちらもアブストすら読んでいませんが、ゾルピデムの方は睡眠障害を伴うパーキンソン病患者のQOLを上げるために投与される模様。今回のとはあまり関係ないのかも。

 間違ってもGABAチョコなども関係ない。


GAD…Glutamiic Acid Decarboxylase。GABA合成酵素、グルタミン酸脱炭酸酵素とも。二種類あり、分子量67kDaと65kDaのものがある(それぞれGAD67、GAD65)。今回のがどっちかは原著を読んでいないので分からない…。
  1. 2007/06/23(土) 14:20:21|
  2. 薬・製薬会社
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研究室内競争

 随分前の話ですが、potasiumchさん

こういうの[引用者注:同じ研究室内で同じテーマをやらせ、競わせること]は昔(~90年代)は結構あったようだけど、今もやっているところは少ないという印象がある(狭い行動範囲+伝聞なので偏りはあり)。


と教えて頂きました。このときは特に気にしなかったのですが、「少ない」というのはあるということだと思います(偏りあり、と仰っていますが)。なぜ今さら思い出したかというと、かなり遠いところの研究室の話(噂の噂の噂くらい≒嘘かもしれない)でそういうことがあるというのをこの前聞きました。
 複数種の実験動物を研究対象にしている研究室ですが、片方がやっていることをもう片方でもこっそりやって、潰そうとしているとかしていないとか。
人間関係は当然…。
おお怖い。
  1. 2007/06/22(金) 17:19:22|
  2. 研究室
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エーザイ

NB 2007年6月21日 エーザイ 笛吹けども株価は踊らず
 エーザイの業績自体は薬事日報にも書いてあったが、好調そのもの。しかし、パリエット(胃潰瘍)、アリセプト(アルツハイマー病)の二種類の薬だけで全体の売上の6割にもなる。しかもそれらの特許切れが近いというお話。アリセプトが2011年(アメリカでは2010年)、パリエットが2010年(同2013年)ということで他の製薬会社に比べたらまだ時間がある方だと思います。
 そもそも特許期間が短すぎないか?と短絡的に考えてしまいます。単純に比べることはできないのですが、著作権などは作品の公表後50年あります…。きっと深い理由があるのでしょう。
 NBではこの後はガンやE2007の話をしていますが、個人的に興味があるのは書いていないE2012の方。Gamma-secretase inhibitorですが、Notchの方に影響を与えずにアミロイドの生成を抑える、という薬らしいです。
 アルツハイマー病の特効薬になるのでしょうか?
  1. 2007/06/21(木) 20:28:27|
  2. 薬・製薬会社
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グローバルCOE、COEサポートを受けていた者として

 身近なことを書くのは控えていたのですが、書けることは書いてしまおうかと思います。なお、僕のところはCOEは採択されていましたがグローバルCOEは採択されませんでした。というか薬学には厳しい結果になっています。
 まず疑問から。生命科学分野なのに基礎医学の分野が結構多い気がします。JSPSのページに「生物科学、農学、薬学 等、その他「生命科学」を主とする複合分野 」と書いてあります。医学系も「生命科学」であることには疑問の余地はないのですが、来年度の医学系の採択はさらに基礎医学分野が採択されるのでしょうか? 負け犬の遠吠えっぽいですが、偏っている気がします。政治的なことがあるのかもしれませんが、一大学院生には良く分かりません。


 COEについて、大したことは書きませんが、サポートを受けていた者として個人的なことを。
 修士のときは特にサポートなどを受けていたわけでは無く、育英会からの借金と薬剤師のアルバイトなどをしていました(仕送りも多少はありました)。このなかから学費、家賃、生活費を出していました。育英会の借金の額自体は、毎月膨れ上がっていたのですが、それほど大きいものではないと思っていたので(働けばすぐに返せると思っていました、この考えは今も変わっていません)特に金銭的に困っているとは思いませんでした。勿論生涯賃金という観点では明らかにマイナスなのですが、大したマイナスだとは思っていませんし、生涯賃金だけを目標に生きるのならばとっくに給料の良さそうな分野(文系?)に行っています。
 そんなこんなで博士課程に進み、COEのサポートを受けるようになりました。現在D3ですが、D1とD2のときは育英会とCOEのサポートが主な収入源でした。収入といっても育英会は返済義務があるので実質的にはCOEのサポートだけでした。返済義務のないお金(は正直ありがたかったです。サポートが無かったら進学をしなかったか?と聞かれたら、「サポートが無くても進学をしていた」と答えるでしょう。しかし、あるか無いかでは精神的にも肉体的にも随分違っていたと思います。修士の時は、薬剤師のアルバイトをした後に夜中実験をしていたのですが、これは結構大変でした。研究科としてどの程度の成果があったのか、これはもう少ししないと分からないのかもしれません。ただ一大学院生としてCOEのサポートは、バラマキだとか何だとか言われていましたが、本当に助かりました。
 D3の今年度は運良く学振の研究員に採用されたので、グローバルCOEのサポートはいずれにせよ受けない予定でした。ただ学振が取れなかった同級生、後輩もいます。グローバルCOEのサポートも受けられないことが決まったので「今後どうなるのか」と心配しています。勿論最初からCOEに採択されていないところの大学院生に比べたら恵まれていると思いますが、途中で梯子を外されたような状態です。同輩はあと一年なのでまだ良いですが、後輩はまだまだ先が長いので大変です。
 現在のM1で、サポートがあるなら博士に行こうかなあ、と言っていた者がいます。何をしに博士課程に行くのかと突っ込みたくもなりましたが、現実的にはそう考えたくもなります。良いとか悪いとか、そういうことは分かりませんが、現実的にそのような状況です。数字として現れるのは、そういう学年の人達が博士進学を決めるころ、すなわち二三年後以降でしょうが。
 別に業績が出ているところにお金が多くまわることは問題ないと思います。ただ裾野が狭いな、と思っているだけです。ただのやっかみかもしれません。本当にチラシの裏にでも書いておくべき文章ですね、我ながらあきれてしまいます。


 あと以前グローバルCOEを「科研費の再分配」と書いたわけですが、学振もその感が否めないと思います。
 うちの研究室はそれほど研究費があるわけではないので、学生が数十万円取ったら喜ばれますが…。
  1. 2007/06/20(水) 20:32:07|
  2. 研究室
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一酸化窒素と性周期

 論文メモ、書いたときは最新号だったのに忘れていた。

Coupling of neuronal nitric oxide synthase to NMDA receptors via postsynaptic density-95 depends on estrogen and contributes to the central control of adult female reproduction.
d'Anglemont de Tassigny X et al. J. Neurosci. 2007 27(23):6103-14.

 NO(一酸化窒素)やH2S(硫化水素)などのいわゆる「ガス」も神経細胞間で「メディエーター」として働いているということが知られている。NOはsynaptic vesicleに留めておくことができないため、合成というステップが重要となる。NOの合成を担っている酵素NOS (nitric oxide synthase)は様々なタイプがあるが、神経細胞にはneuronal NOS (nNOS)が発現していることが知られている。nNOSを活性化させるものの一つとしてNMDA受容体から流入するカルシウムが挙げられるが、NR2BとnNOSはPSD95を介して結合している(注1)。
 なおestrous cycle(性周期)でestrogen濃度が最も高いのはproestrous。

 以上が前提でここからが本論。
 実験はfemale ratのpreoptic areaを主に用いている。
 ExplantからのNO放出をamperometryを用いて測定。Proestrousではdiestrousに比べspontaneousに放出されるNOの量が多い。なおNOの放出量はL-NAME (NOS阻害薬)処置により減少する。またnNOSの発現量自体はestrous cycleの影響を受けない。nNOSとNR2Bの免疫染色像から、これらを共に発現している細胞があること、またその分布や共発現の割合などはestrous cycleの影響を受けない。nNOS (nitric oxide synthase)とNR2BはPSD95を介して結合しているが、estrous cycleによりその結合度合いが変化する。PSD95とnNOS (PSD95)、PSD95とNR2B (PSD95)、nNOSとNR2B (nNOS)は()内で免沈し、もう片方でブロットするとバンドが出現する。なお、この時点では2つずつ結合しているのが三種類あるのか、3つが連なって結合しているのかは不明。Estrous cycleでPSD95とNR2Bの結合は変化しないが、PSD95とnNOS、nNOSとNR2Bの結合は変化する。血中estrogen濃度が低いdiestrousでは少なく、高いproestrousでは多い(免沈のバンドで多い少ないを論じている)。
 なおestrous cycleで変化するのはestrogenだけではないのでestrogenかどうかは不明。ただしnNOSとNR2Bの結合に関してはOVXで減少すること、OVX+Estradiolでrescueされるということからestradiolであると考えて良いのだろう。

以下PSD95のantisense (AS)鎖導入(実質内投与)、nNOS活性の指標としてL-citrullineの免疫染色を行っている(arginine→ornithine→citrulline…)。するとsaline処置群ではnNOS陽性細胞(の8割程度)はcitrullineにも陽性だが、L-NAME処置群ではnNOS陽性細胞はcitrullineが無い(positive control)。PSD95-AS処置群では?というとnNOS陽性細胞のうちcitrulline陽性なのは20%程度に減少。故にPSD95-AS処置によりnNOS活性が低下する。それと平行して、PSD95-ASおよびL-NAMEを処置することによりestrous cycleがdiestrusで停止する。また、nNOSのcatalytic heme-binding domainをdeletionすることにより生殖機能が無くなってしまう(注2)、NOはエストロゲンがNMDA受容体を介したGnRHの上昇に必要である(注3)、nNOS発現細胞の90%はestrogen receptor alphaを発現している(注4)、ということが報告されていた。

 筆者らの主張:estrogen→promote NR2B/nNOS complex assembly→potentiate NO secretion。
 L-NAME処置によりestrousが回らなくなることから放出されたNOがestrous cycle、reproductionに必要なのかもしれない。NOかどうかはともかくとして、このL-NAMEの結果は驚きだ。

 PSD95-ASに関して本論文ではNR2B/nNOSしか見ていないが、他の所にも効いている可能性は大いにある。なんせPSD95だもの。筆者達も他の可能性を否定できないことは述べている。ただL-NAMEでestrous cycleが回らなくなるということから辻褄は合う。GnRH細胞はnNOS (注5)、Estrogen Receptor alpha (注6)のいずれも発現していないことからNOが細胞間メディエーターとして働いている可能性はある。NOの先は分からないがsGC (soluble Guanylyl Cyclase)なのか?

 EstrogenのnNOSとPSDへの作用の詳しいメカニズムは不明。DiscussionにEstrogen Receptor alphaがnNOS発現細胞にあることを書いていたのでER alphaを想定しているのかな?いずれにせよ他のERを見ていないので分からない。Estrogen処置によっても、estrous cycleのstageによっても、nNOSの発現量は変わらないということから恐らくclassicalなEREを介した転写、翻訳という経路ではないのかもしれない。これらの結合を誘発するような蛋白が転写、翻訳される可能性は否定できない。ただしラットの性周期が回るのは速いので転写、翻訳というステップを踏むと間に合わないのかも。所謂membrane receptorなのかも知れないが、そもそもER alpha経路かどうかすら分からない。
 ホルモンはフィードバックとか色々なregulationを受けているのでそのあたりと絡めてdiscussionできれば面白いのだろうが、hypothalamus、pituitary glandのことは良く分からない…。
 ER alphaなどと一応関係あるのかな?的な論文のなかから最近のもの。
Nonclassical estrogen receptor alpha signaling mediates negative feedback in the female mouse reproductive axis.
Glidewell-Kenney C et al. PNAS 2007 May 8;104(19):8173-7.

 あとhypothalamusやMPOAはエストロゲン合成酵素(aromatase)が脳内では最も豊富にある部位なのだが、脳で合成されるエストロゲンがどう働くかは不明。

 以下の論文は未読だが、本論にreferenceとして引かれていた。話の流れに重要な論文。
(注1)
PSD-95 assembles a ternary complex with the N-methyl-D-aspartic acid receptor and a bivalent neuronal NO synthase PDZ domain
Christopherson KS et al. J. Biol. Chem. 1999 Sep 24;274(39):27467-73.

Specific coupling of NMDA receptor activation to nitric oxide neurotoxicity by PSD-95 protein.Sattler R et al. Science. 1999 Jun 11;284(5421):1845-8.

(注2)
Deletion of exon 6 of the neuronal nitric oxide synthase gene in mice results in hypogonadism and infertility.Gyurko R et al. Endocrinology. 2002 Jul;143(7):2767-74.

(注3)
Evidence that nitric oxide may mediate the ovarian steroid-induced luteinizing hormone surge: involvement of excitatory amino acids.Bonavera JJ et al. Endocrinology. 1993 Dec;133(6):2481-7.
タイトルの「may」って何なんだ?

(注4)
Neuronal nitric oxide synthase and gonadal steroid interaction in the MPOA of male rats: co-localization and testosterone-induced restoration of copulation and nNOS-immunoreactivitySato S et al. Brain Res. 2005 May 10;1043(1-2):205-13.

(注5)
Relationship of neuronal nitric oxide synthase immunoreactivity to GnRH neurons in the ovariectomized and intact female rat.Herbison et al. J Neuroendocrinol. 1996 Jan;8(1):73-82.

(注6)
New evidence for estrogen receptors in gonadotropin-releasing hormone neurons.Herbison and Pape Front Neuroendocrinol. 2001 Oct;22(4):292-308.


 なお、ある酵素の阻害薬を処置することにより○という現象が起こる。従ってその酵素により合成される産物が○を引き起こすのに必要、という話はよくあるが実際は不十分なことがある。酵素の基質が相対的に増えてしまうことがあるので、そちらではないことを示す必要がある場合がある。
 この論文の場合nNOSがNOを合成するときの基質はアルギニンであるため、恐らくそのようなことは無いだろうと推察されるのかもしれない。
 しかし、このことは阻害薬に限らずノックアウトやノックダウンなどでも同様である。
 
  1. 2007/06/19(火) 22:07:50|
  2. 論文
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ツーリング~奥秩父

 日曜日ということでツーリングでも、と言いたいのですが、セミナーが複数襲ってくるのでデスクワークの一日になりそうです。最近記事の内容がいつもに増して薄めなのはそのせいだということに。

 昔のツーリング、ということで2006年8月20日に奥秩父に行ってきました。何も考えずに秩父方面に向かったのですが、最終的には三峰神社まで行きました。
 往路がR463→R299→R140、復路はR140→R299→R16→R254。復路のR16あたりは意味不明でした。混んでいるところを避けようとしたのですが、どこも混んでいました。

 二瀬ダム沿いの道で撮った写真です。しかし、この写真ではどこにもダムの雰囲気を感じません。

P1000162.png


 STさんは写真では真っ黒です。実物も真っ黒で「アリみたい」と言われてしまいました。早くウインカーを移したい…。

 後ろの看板を拡大してみると…。
20070617141409.png


 捨てたわけではないのです。
 よく見ると自分自身が写っています。最近のデジカメは凄いですね。

 三峰神社は行くまで存在すら知らなかったのですが、立派なところでした。ただ埼玉県西部には雷注意報が出ていたのでそそくさと帰ってしまいました。
P1000176.png


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  1. 2007/06/17(日) 14:28:13|
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グローバルCOE

 グローバルCOEの審査結果が出たようです。大学院生もある程度サポートされるので、良い面もあるのでしょうが、採用されなかったところの方がはるかに多いと思います。そういうところの大学院生はサポートなどないので大変だと思います。院生だけの力でどうこうできる事ではないのですが、本人と関係ないところで差が出得るのはやるせない気がします。これが「選択と集中」の結果なのでしょうが、もう少し裾野を広げても良いと思います。結構なお金がでるようですが、これでは科研費の再分配なのでは?
 そういう僕も修士のときからの育英会の借金が結構あるので他人の心配をするほど余裕はないのですが。
  1. 2007/06/16(土) 17:28:57|
  2. 研究室
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名人戦

 一日中名人戦が気になっていたのだが…。
 森内名人負けてしまった…。

 勝ったとき用の原稿も用意していたのですが…。

 まあ勝負としては最終局までもつれたので楽しみが増したのですが…。

 どうも去年までの安定感がない…。

  1. 2007/06/15(金) 23:00:09|
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コレステロール、脳に必須 伝達機能高める 実験で確認

 asahi.com 2007年6月14日より。
 元論文はこちら
Brain-Derived Neurotrophic Factor Regulates Cholesterol Metabolism for Synapse Development
Suzuki S et al. J Neurosci. 2007, 27(24):6417-6427
 産総研の小島先生のグループだ。小島先生には以前学会発表のポスターを見にきて頂いたこともあるが、実に鋭い指摘を頂戴した。あの時は本当に困ってしまった…。asahi.comとJ. Neurosci.のアブストしか読んでいませんが、このグループの前報の続きなのかな?。
BDNF-induced recruitment of TrkB receptor into neuronal lipid rafts: roles in synaptic modulation.
Suzuki S et al. J Cell Biol. 2004 Dec 20;167(6):1205-15.

ただし、体と脳のコレステロールは別々につくられており、血液中のコレステロール量が多ければ、脳の働きがいいというわけではないという。


 まあ経験的にそうかな、という気がします。逆に脳だけでコレステロールを増やせば良いのでしょうか?あと気になるのはコレステロールを下げる薬(主にスタチン系になると思いますが)の脳移行性。メバロチンとリピトールの添付文書を見てみましたが、特に記憶障害などはないみたい。
  1. 2007/06/14(木) 19:30:13|
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森研を思ふ

RIM1 confers sustained activity and neurotransmitter vesicle anchoring to presynaptic Ca(2+) channels.
Kiyonaka et al. Nat. Neurosci. 2007
 京大の森研から。

京都新聞に簡単にですが載っていました。
神経細胞接点の仕組み解明 京大グループ、認知症治療に一助
論文の細かいことではなくて、森研について。
 昔一週間ほど森研でお世話になったことがある。今は京大にいらっしゃるが、その前に生理学研究所にいらっしゃった。そのときに生理学研究所主催の生理科学実験技術トレーニングコースに参加したのだが、その時にお世話になった。トレーニングコースは八月、既に京大に移ることがことが決まっていて研究室内は段ボールの山だらけだった。その年の四月にポスドクとして赴任した清中先生がこの論文のfirst author。清中先生だけでなく、森先生、当時助手でいらっしゃった西田先生など多くの方々が熱く研究について語っていたのが印象的。
 もうD3だがあのときの先生方のように研究に熱く向かえているのかな?熱さが空回りすると暑苦しいだけなのだが、ある程度の熱さは必要。
 実験が上手くいかなかった日の夜に思う。なんだかグチっぽくなってしまった…。

  1. 2007/06/12(火) 21:05:38|
  2. 研究室
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バイアグラカキ

バイアグラでカキ養殖=「名前外せ」と製造元かんかん-豪
時事通信社、2007年6月9日号。

バイアグラ入りのカキはいかが-。オーストラリアのシドニー北部のカキ養殖業者らが性的不能治療薬「バイアグラ」を使ったカキ「バイアグラ・オイスター」をつくり、話題となっている。



 何を考えているのでしょか、変な人もいるのですね。問い合わせが来ているということは欲しがっている人がいるということでしょう。よく分からないのですが、切実な人には切実な問題なのでしょう。バイアグラが手に入らない状況の人(がどの程度いるのか分りませんが)には蜘蛛の糸みたいなものでしょうかね。

 以下若干下ネタ(というほどのものではありませんが、嫌いな人もいるかもしれないので)。
[バイアグラカキ]の続きを読む
  1. 2007/06/11(月) 20:14:40|
  2. 戯言
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ツーリング~犬吠埼

 日曜でしたが外せない実験。そのため遠出できなかったがいずれにせよ大雨だったので出なくて正解。気分だけ出かけた気に…。昔のツーリングについて。

 行ったのは2006年7月30日。R6で我孫子まで行って、R356で一気に銚子まで。犬吠埼灯台に行きました。鰯丼か何かを食べた気がします。帰りはR126→R296、結構混んでいた気がします。
 写真を二枚、犬吠埼灯台の写真と灯台の上からの景色です。

P1000114.jpg

P1000105.jpg



ツーリングの目次はこちら

  1. 2007/06/10(日) 19:30:28|
  2. ST250
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睡眠は重要

 
 寝不足で何だかに眠い(眠いから寝不足なのか?)。セミナーもあまり頭に入らなかったので文献紹介論文メモ。

Functional neuroimaging and behavioral correlates of capacity decline in visual short-term memory after sleep deprivation.
Chee MW et al., PNAS 2007
 なんてタイムリーな文献紹介なんだ。Sleep deprivationでvisual short-term memoryが減少する理由をfMRIを使って検証。結果はある程度予想できるものだった。やはり睡眠は大事。色々定量的に扱えるというのは面白い。ツーリングで昼御飯+温泉でよく眠くなるのだが、努々注意せねば。24時間寝ていない人を対象にしていますが、どの位仮眠を取ったらスコアが戻るのでしょうかね?
 話はずれるのだが一般論としてfMRIで「活動した」部位がアウトプットを出すのに必要な部位かどうかというのは分からないのでは?

他の文献紹介
Selective dysfunction of hippocampal CA1 astrocytes contributes to delayed neuronal damage after transient forebrain ischemia.
Ouyang YB et al., J. Neurosci. 2007
 CA1の錐体細胞は虚血に対し脆弱なのだが、そのCA1でのastrocyteについて。本論の結論もちょっとアレだが別のところに問題がある。Fig.5でceftriaxoneなる抗生物質を処置するとGLT-1 (Glutamate transporter:グルタミン酸の取り込みを行う)が増え、細胞死が抑制される。故にGLT-1が…というFigの結論なのだがこれはいただけない。他のモノに効いている可能性を排除することができない。AG1478がErbB4のspecific inhibitorとして使われているところでも書いたが、薬理学的に物事を言う時はもっと慎重にならなければならない。

Reversal of synaptic memory by Ca2+/calmodulin-dependent protein kinase II inhibitor.
Sanhueuza M et al., J. Neurosci. 2007
 Endogenousにも存在するCaMKII inhibiting peptideを使ってLTPの機構を調べている。LTPの話よりこのpeptideの方が気になる。どうやってできるのかとか、そのregulationとか…。
  1. 2007/06/09(土) 19:50:38|
  2. 研究室
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20の質問

 本当に訪問者が知りたい20の質問なるものがあるのを知った。
 本当に知りたいのかな、と思いつつとりあえず書いてみました。簡単なプロフィール代わりになるかもしれないのでこちらに書きました。
  1. 2007/06/08(金) 18:33:54|
  2. 戯言
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7種類の一般的疾患14,000症例および共通対照群3,000名を対象とした全ゲノム関連解析

  Genome-wide association study of 14,000 cases of seven common diseases and 3,000 shared controls.
Nature 2007年6月7日号

 素人なので評価の仕様がないのですが、パッと見た感じでは凄いの一言。7種類というのは具体的には双極性障害、冠動脈疾患、クローン病、高血圧、関節リウマチ、I型糖尿病、II型糖尿病。遺伝的要因が大きい疾患なのでしょうが、非遺伝的要因も全くないとは言い切れないと思います。その辺りの兼ね合いなどはどのように考えているのでしょうか。もちろん非遺伝的要因があろうともこの研究の価値が変わるわけでは無いと思います。
  1. 2007/06/07(木) 14:22:49|
  2. 論文
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科研費

 2007年度科研費

1 東京大学 18,515,599,214
2 京都大学 12,313,000,000
3 東北大学 9,257,220,000
4 大阪大学 8,312,770,000
5 名古屋大学 6,243,456,000
6 九州大学 5,579,650,000
7 北海道大学 5,538,819,921
8 東京工業大学 4,363,430,000
9 筑波大学 3,008,880,000
10 独立行政法人理化学研究所 2,530,960,000
11 神戸大学 2,428,949,385
12 広島大学 2,287,170,000
13 慶應義塾大学 2,165,570,000
14 早稲田大学 1,807,460,000
15 東京医科歯科大学 1,786,840,000
16 岡山大学 1,764,090,000
17 千葉大学 1,578,600,000
18 金沢大学 1,337,130,000
19 熊本大学 1,294,900,000
20 徳島大学 1,127,930,000
21 新潟大学 1,067,680,000
22 長崎大学 965,950,000
23 独立行政法人産業技術総合研究所 954,740,000
24 大阪市立大学 926,560,000
25 国立遺伝学研究所 922,360,000
26 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 905,020,000
27 東京農工大学 898,420,000
28 奈良先端科学技術大学院大学 875,310,000
29 独立行政法人日本原子力研究開発機構 764,980,000
30 首都大学東京 761,960,000

 東大とか京大はお金持ちっぽくってうらやましい。180億って想像もできない小市民です。でも上からならべたように旧帝大がならんでいます。税金を使っているだけに、それだけのアウトプットをちゃんと出しているのか気になります。研究費とアウトプットはある程度は正の相関関係にあると思うので研究費が多いとアウトプットも多い。そうすると次も多額の研究費が入ってくる、というループになっているのではないでしょうか。そのループから外れると負のスパイラルに陥ってしまう。
 世知辛い時代だ。
  1. 2007/06/04(月) 21:50:59|
  2. 研究室
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Peer Review

以前のpeer reviewだが、結局rejectという結論に。ごめんなさい、次を頑張ってください。

 他人の未完成の論文を見ると色々穴が見える(publishされたものでも穴だらけのものもあるが)。自分が論文を書くときの注意すべきポイントでもあるのだが、次の論文がいつになるのやら…。
  1. 2007/06/02(土) 19:12:36|
  2. 研究室
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NeuregulinのGABAergic neuronへの作用

Neuron 2007年5月24日号
Neuregulin-1 enhances depolarization-induced GABA release
 タイトルそのまま。Neuregulin (外からかけたものでも、内因性のものでも)が脱分極により引き起こされるGABA放出を増強するという論文。外からかけてもbaseでのGABA放出量、mIPSCには影響を与えない。Baseが変化しないというのは不思議と言えば不思議。
 Paired-pulse ratioの結果やsynaptosomeからのGABA放出量の変動、ErbB4が抑制性の細胞の一部にもある、APV+CNQXで影響が無い、などからNRG1はGABAergic neuronに直接働いているとの結論。
 詳しいメカニズムは、関与している受容体がErbB4であること以外不明。
 なおAG1478をErbB4の"specific inhibitor"と書いているが、普通にEGFR阻害薬としても使われてる。この場合はどうでもいいのかもしれないが、鵜呑みにしてはいけない。

 NRG1とErbB4は統合失調症関係でよく出てくるし、GABAergic neuron (GAD67など)も統合失調症関係とよくからんで出てくる。ドーパミンとの関係が気になるところですが、全く触れられていない。統合失調症は他にもグルタミン酸仮説とかグリシントランスポーターとか色々出てくるので大変です。陰性・陽性という分類や妄想型・破瓜型・緊張型などの分類がある通り、色々あるのでその辺の区別をちゃんとしないと却って混乱を招いていしまう。


以下の論文は未読
Malinowのところからの論文もこの号にある。
The Neuregulin-1 Receptor ErbB4 Controls Glutamatergic Synapse Maturation and Plasticity.

Neuregulinについて
Neuregulin1 processing can be regulated by neuronal activity.
Bao et al., 2003
Ozaki et al., 2004

受容体ErbB4ノックアウトマウスは異常行動を示す
Falls et al., 2003
Stefansson et al., 2002
Stefanssonの論文はNeuregulinと統合失調症の関係を初めて見出した論文らしい。
  1. 2007/06/01(金) 18:59:19|
  2. 論文
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プロフィール

ikettie

Author:ikettie

・博士号(薬学)取得後、とある製薬企業の研究者になりました。
・大学と企業の違いに戸惑いながら日々の思考の変化を追っています。
・コメントお待ちしております。
・初めての方はこちらへどうぞ(070824改編)
・検索エンジンから「ST250」でいらした方はこちらへどうぞ

・ツーリングの目次はこちらです。
・トップ画像の拡大写真はこちら。2010年5月3日@萩ユースホステルからの夕日です。夕日を見送るのが好きなので、良くツーリング先で夕日を見送っています。



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