日々の戯言〜研究とか薬とかST250とか〜

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Neuronの表紙が葛飾北斎だという件について

Neuron -- Table of Contents (Sep 25, 2008, 59 (6))

The cover art by Hokusai symbolizes the dynamic nature of calcium currents and peaks that power synaptic communication.

カコイイ(・∀・)。

 富嶽三十六景(“36 Views of Mount Fuji” )にかけて、“7 Views of Synaptic Calcium Dynamics.”という特集。何よりもFreeだということが素晴らしい。

  1. 2008/10/01(水) 22:01:19|
  2. 論文
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統合失調症発症は歯状回の発達不全が原因?

 ごめんなさい、アブストすらまともに読んでいません。読んでもいないクセに勧めるのもいかがなものかと思いますが、Molecular Brainというオープンアクセスの雑誌みたいです。誰でも読めるので是非。

Alpha-CaMKII deficiency causes immature dentate gyrus, a novel candidate endophenotype of psychiatric disorders

 宮川先生のCaMKIIノックアウトマウスでの形態の仕事という理解でいいのかな?昔はうつや統合失調症などは、形態学的な変化は認められないとされてきたが、今では変化があるとされている。Schizophreniaにの形態に関してはreelinが一番有名かもしれないが、それと今回のDGの話は別かな?しかし、結局こういうことを外挿して患者レベルまでを帰納的に捉えるのは結構難しい気がするのでやはり地道な努力が必要なのだろう。いや、別にモデルマウスを否定しているわけではないのですが、このモデルマウスでは説明できないphenotypeも当然多いわけで。”CaMKIIがschizophreniaの(一部の症状を示す)モデルマウスである”という理解でいいのでしょうかね。
 そういう意味では文章がちょっと酷いと思う毎日新聞の記事だが宮川先生の発現を(多分)忠実に掲載している。

宮川教授は「ヒトの統合失調症の一部は海馬の歯状回の未成熟が原因の可能性がある。成熟を促すことができれば治療法として有望だ」と話す。
『統合失調症:脳に未成熟な領域 マウスで確認、治療法開発も - 毎日jp(毎日新聞)』
(下線部は引用者)


 まあDGが未発達な人が全員統合失調症になるわけでもあるまいし、またすべての統合失調症患者のDGが未発達かというとそうでもないだろう。まあでもリスクファクターの一種というか、endophenotypeなのかは良く分からないけど、一歩前進なのかな…?そもそもCaMKIIのdeficiencyによりDGが未発達になるのは何故?やはり読まなきゃですね^^;。
 診断という意味ではこういう「脳の体積の測定」というのはなかなか煩雑な気がする。ベストなのは(極端な話)「唾液に含まれるナントカの成分が多い」とかだとキット化しやすいので楽なのだが、それはわがままな話か。


 書きなぐっただけなので読みづらいですねm(_ _)m
  1. 2008/09/21(日) 22:31:55|
  2. 論文
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新しい神経核

性周期を制御?する神経核発見 京都府立医大グループ(asahi.comより)

 論文自体はPNASみたいだが、調べてみた限りではまだオンラインではないようだ。何故これまでに誰も気づかなかったのかが不思議なくらいだが、このあたりがセンスなのかもしれない。この話を最初に見た時はへこんだ(学生時代に視床下部は見ていたが、自分は気付かなかったので)。しかし、よくよく記事を読んでみると僕には気付き得なかった条件が含まれていることに気づき少し安堵。しかし、(自分の研究には全く関係ないこととは言え)その条件検討をまったく行おうとしなかった自分にまたへこんだ。情緒不安定だ…(^^;)

一方、雌の矢状核は月経中には小さくなり、月経が終わると大きくなることがわかった。


・この大きさをregulateしているのが上位中枢なのか、それともperipheralからのnegative feedbackなのか?
・この神経核の神経細胞のpopulation (どのような細胞なのか)は論文中で同定されているのだろうか?
・Sizeとfunctionに相関はあるのか?というか普通に破壊実験を行ってみたくなるのが人情というものだろうが、論文に記載されているのだろうか?

河田教授は、この神経核には女性ホルモンの作用を抑える働きがあるとみている。


ここまで言い切っているんだから…何かつかんでいらっしゃるのだろう。
  1. 2008/08/19(火) 23:01:45|
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障害物を避ける細胞

『培養ラット脳細胞がロボット操る…英大学が開発成功と発表 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)』

研究グループは、ラットの胎児から採取した脳細胞を培養して増やし、脳細胞が発する電気信号を検出できる装置に組み込んだ。二輪走行するロボットは、この電気信号を無線で受けて動く仕組みで、ロボットに積んだセンサーが障害物を検知すると、ロボット側から無線で送られる信号が脳細胞を刺激する。

 ロボットは最初こそ障害物に接触していたが、障害物検知の信号で脳細胞が“学習”したとみられ、避けて動けるようになったという。


・「脳細胞」って具体的になんでしょうか?ラット胎児の神経細胞だったら培養するとどんどん死んで行きますが、「増やし」と書いてあることからグリアか何かでしょうか?

・障害物を「避ける」というのはどうやって教えたのだろうか?これは簡単に教えられることなの?また、逆にある特定のモノに指向するように教えることも可能なのでしょうか?

・具体的な細胞の数や(ちょっと上述しているけど)細胞のpopulationなども知りたい。

 いやあ、まあロボットでできたことが細胞でもできたということだろうけど、ここまで来るとちょっと怖い気もする。
 残念ながらこれの元ネタ(論文?学会?)が分からない。
  1. 2008/08/16(土) 23:17:25|
  2. 論文
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変な名前のタンパク質

ピカチュリンだそうだ…。
http://www.nature.com/neuro/journal/vaop/ncurrent/abs/nn.2160.html
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080721/acd0807210202000-n1.htm


他にも色々。
ドロンパ
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2004/041119/index.html

カエデ
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16648840?ordinalpos=2&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum

ケイマ(桂馬)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12271129?ordinalpos=7&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum

この3つはphotoimagingに有用。

サトリ(悟り)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8790392?ordinalpos=11&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum

 サトリ遺伝子が無くなるとオス蝿はメス蝿への興味を示さなくなる、というのが僕の理解だった。しかし、先日の飲み会で、同性へと指向してしまうということを教えて貰う。断片的に調べてみたところ、メスには無い様子。

オトコギ
http://slashdot.jp/~sillywalk/journal/386532
これも性決定因子。
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/info/otokogi.htmlから引用
「即ち、配偶子の進化という視点で性(sex)の原型はメスであり、オスはMIDのような遺伝子をもつことで原型から派生している性であると理解される。」
まあそんなものだろうな。女性には敵いません。

シュゴシン(守護神)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14730319?ordinalpos=45&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum

ポケモン
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15662416?ordinalpos=17&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum

ポケモンは話題しか知らなかったが、proto-oncogeneだったのか。これはもう名前が変わっている。

タンパク質だけではなく、特徴的なネズミにも変な名前が付いていたりする。

カグヤ
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15103378?ordinalpos=24&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum
http://brain.naro.affrc.go.jp/tokyo/marumoto/up/press/newpage1.htm
 単為発生マウス、卵子だけで生まれてくる。オスは不要?(言いすぎ)。ただかぐや姫には母親もいないんじゃなかったかな?母親だけで生まれてくるのでスグに思いつくのはキリストだが、ネズミにそんな名前を付けたら夜道に刺されそうだ。

db/dbマウス
http://www.tmin.ac.jp/medical/12/feeding2.html

 摂食障害があり、遺伝的に肥満。世の中的にはおそらく「ディービー/ディービーマウス」と呼ぶのだと思うのだが、どうしても「デブデブマウス」と呼んでしまう。

やはり名前から機能がすぐわかるのがいいな。
  1. 2008/07/21(月) 22:44:02|
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水素水?

 ちょっと酔っているのでメモだけ。
『認知症予防に道、水素水が記憶力低下を抑制 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)』

 そもそも水素水ってなんだ?というところから始まるわけですが、(学会発表などではなく、)Neuropsychopharmacologyとか言われると本当なのかもしれない、という気になってしまう。
  1. 2008/07/18(金) 23:15:41|
  2. 論文
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Neuronal Neprilysinを過剰発現させると寿命は短くなる@Drosophila

Overexpression of Neprilysin Reduces Alzheimer Amyloid-{beta}42 (A{beta}42)-induced Neuron Loss and Intraneuronal A{beta}42 Deposits but Causes a Reduction in cAMP-responsive Element-binding Protein-mediated Transcription, Age-dependent Axon Pathology, and Premature Death in Drosophila.
Iijima-Ando K, Hearn SA, Granger L, Shenton C, Gatt A, Chiang HC, Hakker I, Zhong Y, Iijima K.
J Biol Chem. 2008 Jul 4;283(27):19066-76.
アブストしか読んでいない。

 Aβを分解する酵素neprilysinは他のpeptideをも分解するらしい。Neprilysinを過剰発現させると確かにAβの沈着は減少し、Aβによる細胞死は抑制されるのだが、CREBの転写活性の低下、加齢による軸索のdegeneration、そして寿命の低下が認められる
 また、哺乳類同様、ハエでも内因性neprilysinのmRNA量、活性は加齢により低下する。この原因は不明だが、「進化的に保存されてきた現象」的なこと。まあよう分からん。若い時はprotectiveな働きも有害な(detrimental)働きもあるneprilysinだが、加齢により活性が低下し、ADになってしまうとのこと。過剰発現させておいてdetrimentalもナニも無いような気がするが、ひとつのモデルとしての結果としては興味深い。本文を読めばわかるのかもしれないけど、実際に分解する"physiological peptide"が具体的に何なのかは気になる。
 対処法としては、年を取ってから活性化させればいいのですか?
  1. 2008/07/06(日) 20:50:06|
  2. 論文
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キナーゼ活性を必要としない受容体型チロシンキナーゼの役割

 専門外ですが、BioTodayで面白そうな論文があったので…。例によって無知をさらします。

『BioToday - キナーゼ活性に依存しないEGFRの細胞死抑制作用が見つかった』

元論文はこちら
Survival of cancer cells is maintained by EGFR independent of its kinase activity.
Cancer Cell. 2008 May;13(5):385-93.
Weihua Z, Tsan R, Huang WC, Wu Q, Chiu CH, Fidler IJ, Hung MC.

 ちゃんと読んでから書こうと思っていたけど、とりあえずメモだけ。
 Kinase inhibitorでkinaseの活性を抑えた時とsiRNAでタンパク質自体を減らした時のphenotypeの違いについて。Kinase inhibitorの選択制やinhibitionが十分なのかなど色々気になります(読んでもいないけど)。あと当然メカニズムも気になる。アブストを読んだ限り、細胞内へとグルコースを取り込む能力が低下するらしい。僕が知りたい「メカニズム」というのはそういうことではないのだけど…アブストにはstabilityとか何とか書いてあるので読めばわかるのかもしれない。ちょっと楽しみです。

 逆に「あるkinaseのinhibitor」が効かないと言ってそのkinaseが関与しないかというとそうでもないこともありうる。たとえリン酸化能が消失していたとしてもだ。おお怖い(>_<)


 他にもこういう例(kinase活性を必要としないkinaseが役割を果たす)は…知らないけどありそうだなあ。


40000
  1. 2008/05/19(月) 22:17:36|
  2. 論文
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Beta secretaseとneuregulin-1

『日々の戯言〜研究とか薬とかST250とか〜 ベータセクレターゼと正常型プリオン』より

ベータセクレターゼは現在のところAPPしか基質が見つかっていないらしいのでそちらの方が安全なのかもしれない。

これは誤りかもしれない。

『BioToday - BACE1欠損マウスは統合失調症様症状を呈する』

2008-05-13 - βセクレターゼ・BACE1は、アルツハイマー病の病理において中心的な役割を担うAβペプチドの生成に関与しています。また、BACE1は統合失調症と関連するneuregulin 1(ニューレグリン1、NRG1)の分解にも関与しています。 (4 段落, 347 文字)



そんなの知らんよ。PubMedでbeta secretase neuregulinで検索してみる。

Control of peripheral nerve myelination by the beta-secretase BACE1.
Science. 2006 Oct 27;314(5799):664-6.
Willem M, Garratt AN, Novak B, Citron M, Kaufmann S, Rittger A, DeStrooper B, Saftig P, Birchmeier C, Haass C.
BACE1ノックアウトではunprocessed neuregulin-1が増える。

Bace1 modulates myelination in the central and peripheral nervous system.
Nat Neurosci. 2006 Dec;9(12):1520-5.
Hu X, Hicks CW, He W, Wong P, Macklin WB, Trapp BD, Yan R.
これもBACE1ノックアウトマウスでunprocessed neuregulin-1が増えるということみたい。

 アブストだけだと直接分解に関与するのかどうかはわからない。また、「分解」といってもありがちなpro体からmature体へのcleavageらしい。

In vivo beta-secretase 1 inhibition leads to brain Abeta lowering and increased alpha-secretase processing of amyloid precursor protein without effect on neuregulin-1.
J Pharmacol Exp Ther. 2008 Mar;324(3):957-69.
Sankaranarayanan S, Price EA, Wu G, Crouthamel MC, Shi XP, Tugusheva K, Tyler KX, Kahana J, Ellis J, Jin L, Steele T, Stachel S, Coburn C, Simon AJ.

 あるBACE1 inhibitorをマウスのlateral ventricleに投与したところ、Abeta (40も42も)は減少したが、neuregulin-1は減少しなかった。分離可能ということか。
 あと、NRG1、ErbB4などのノックアウトマウスの行動が統合失調症様だというのは良いのだが、結局のところdevelopmentalな問題だという印象が強い。すると成体での役割は…?
  1. 2008/05/16(金) 22:24:43|
  2. 論文
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高血糖による海馬機能の低下はグルココルチコイドを介する

Diabetes impairs hippocampal function through glucocorticoid-mediated effects on new and mature neurons.
Stranahan AM, Arumugam TV, Cutler RG, Lee K, Egan JM, Mattson MP
Nat Neurosci. 2008 Feb 17 [Epub ahead of print]

 ちょっとナナメ読みもいいところなので、解釈しきれていないけれど…。

 まず糖尿病には二種類ある:1型はinsulin dependent、すなわちインスリンが無くなってしまっている。こちらは遺伝的素因は少ないとされれるが、生活習慣病ではない。2型はinsulin independent。遺伝的因子と生活習慣がからみあって発症する生活習慣病であり、糖尿病全体の9割を占める。高血糖の脳機能への影響としては認知障害のリスクを上昇させるなどがある。また、高血糖はHPA axisに影響を与えることが知られているが、糖尿病における認知障害などに神経内分泌系が関与するのか否かという点については不明。
 また、一般的にはモデル動物の場合、ほとんどが1型の糖尿病を模倣しているが、実際の患者数は2型の方がはるかに多い。
 
 この論文ではinsulin-deficient ratsとinsulin-resistant miceを用いている。マウスとラットの差はあるものの、1型と2型の糖尿病両方のモデル動物を使用していることになる。
 本論文ではいずれのモデル(インスリン依存性糖尿病モデルラット*1およびインスリン抵抗性糖尿病のモデルマウス*2)でも海馬依存的な記憶の障害*3、perforant path synaptic plasticityの抑制、成体における神経細胞の新生の抑制が観察された。また副腎皮質ホルモンであるコルチコステロンを多めに投与することよってもこれらの現象が観察された。いずれのモデル動物においてもコルチコステロン濃度が一定に保たれた場合*4には海馬の可塑性の異常は認められなくなった。従って高血糖によりコルチコステロン量が増え、シナプス可塑性や神経細胞の新生などが抑制され、認知障害などが引き起こされると言う可能性が考えられる。
 なお、 新生する神経細胞数が抑制される、ということに関してはAraCの投与により模倣して、同様の結果が得られている。

 結局高血糖とHPA-axisの話はよくわからなかった…。

*1
streptozocin投与

*2
db/db mouse

*3
novel object recognition test

*4
ADX+飲み水にcorticosteroneを入れておく。
  1. 2008/03/17(月) 23:33:32|
  2. 論文
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