日々の戯言~研究とか薬とかST250とか~

その他ダイエットや就職活動記など色々な出来事の備忘録

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サリドマイドによる発達障害の機序が解明されたらしい

 朝のNHKニュースでも報道があった通り。
『河北新報 東北のニュース/サリドマイド薬害 発達障害の仕組み解明 東北大など』
元の論文は↓

Identification of a Primary Target of Thalidomide Teratogenicity
Science 12 March 2010:Vol. 327. no. 5971, pp. 1345 - 1350

 いつも通り、アブストの斜め読みで申し訳ないのですが。
 筆者たちはcereblon (CRBN)をサリドマイドの結合するタンパクとして同定した。CRBNはE3ユビキチンリガーゼ複合体をDDB1 (DNA binding protein 1)やCul4Aと形成する。この複合体が四肢の発達やFGF8の発現(zebrafishやchick)に重要な役割を果たしている。サリドマイドはCRBNと結合し、そのユビキチンリガーゼ活性を阻害、結果として発達障害を引き起こす。

 サリドマイドについては以前も書きましたが、現在もつかわれている薬です。
『日々の戯言~研究とか薬とかST250とか~ サリドマイド発売へ?』
 血管新生阻害があるというな話を聞いたことがあるが、今回の話と血管新生阻害が同じなのかどうか?また、抗癌作用も今回の話が重要なのか、血管新生阻害なのか、両方なのか、まだまだわからないことがいっぱいある。しかし、薬害を引き起こしたメカニズムが明らかにしたことは非常に意義深いと思う。

CRBN cereblon [Homo sapiens] - Gene Result

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  1. 2010/03/13(土) 19:11:23|
  2. 論文
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日本の科学についての記事


 それほど目新しいことが書いてあったわけでは無いので内容については割愛。Natureにも書いてあったということで。

Editorial
Nature 460, 151 (9 July 2009)
Japan's tipping point

  1. 2009/07/16(木) 21:19:17|
  2. 論文
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CNSでのセロトニンノックアウトマウス

Growth retardation and altered autonomic control in mice lacking brain serotonin
PNAS, 2009

 例によってアブストのみ斜め読み。
 セロトニン合成に必須のTryptophan Hydroxylaseの1と2のうち、2をノックアウト(Trh2-/-)すると中枢神経系でセロトニンが枯渇する。このノックアウトは胎生致死ではないが幼弱期に死に安くなるし、自律神経失調症になる。その他行動にも異常あり。

  1. 2009/06/29(月) 22:34:40|
  2. 論文
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癌により鬱になることについて

Peripheral tumors induce depressive-like behaviors and cytokine production and alter hypothalamic-pituitary-adrenal axis regulation
Pyter LM, Pineros V, Galang JA, McClintock MK, Prendergast BJ.
2009 May 18. [Epub ahead of print]

 ちょっと話としては面白いな、と思った論文。本文は家からは読めないのでアブストのみを斜め読み。

 慢性疾患を抱えている人は感情障害をも有するという相関関係がある。しかし、その関係についての生物学的なメカニズムは分かっていない。筆者らはラットを癌にした(癌細胞を移植したのかな?)ところ、うつ傾向や不安様行動を示した。ラットの末梢組織および海馬におけるサイトカインを調べたところ、うつ傾向の行動を惹起することが知られている炎症性のサイトカインが癌細胞移植ラットで上昇していた。また、それらのラットではサイトカインシグナルを阻害するコルチコステロンが減少していた。また、海馬におけるグルココルチコイド受容体の発現量は上昇していた。
 これらの結果から、末梢に存在する腫瘍はそれだけで情動行動を変化させるのに十分である可能性が示唆された。グルココルチコイドに対する応答の低下が、腫瘍により誘導されたサイトカインの情動への作用に影響しているのかもしれない。

・ヘタクソな意訳でごめんなさい。
・なぜコルチコステロン量が減少するのかということについては不明。
・そもそもコルチコステロンが減少しているのは意味不明。HPA-axisの考え方で行くと、コルチコステロンはストレッサー存在下では上昇しているものだと理解していたのだが…。上記論文の結論からすると、コルチコステロンを投与すればサイトカインの作用も減弱し、うつ傾向の行動も見られなくなると思うのだが、そういう実験を行っているのかどうかはよく分からない。
・グルココルチコイド受容体の発現量上昇はsupersensitivityかな。
・でも、個人的にはラットの実験通りだけでは無いと思うのですよ、人間は。人間を特別扱いするのは良くないことかもしれませんが…。
  1. 2009/05/26(火) 21:46:57|
  2. 論文
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SSRI服用でドーパミンが低下する?

 先日NHKか何かの番組で見たのでちょっとだけ調べてみた。背景としては、本当はうつではないのにSSRIを処方される→ドーパミンが低下→さらに「ヤル気」などが低下してしまうとか言うような話だった。そういう人たちはSSRIの服用をやめたところ、症状はよくなったとのこと。
 思ったより多かったのが、PETやマイクロダイアリシスなどを用いて「生きたまま」測定する仕事。

Serotonergic modulation of striatal dopamine measured with positron emission tomography (PET) and in vivo microdialysis.
Dewey SL, Smith GS, Logan J, Alexoff D, Ding YS, King P, Pappas N, Brodie JD, Ashby CR Jr.
J Neurosci. 1995 Jan;15(1 Pt 2):821-9.
 Citalopram (SSRIの一種)投与により線条体における細胞外のドーパミン量が低下する。

 そうはいいつつも、逆に増えるというような報告もある。
Serotonergic modulation of dopamine measured with [11C]raclopride and PET in normal human subjects.
Smith GS, Dewey SL, Brodie JD, Logan J, Vitkun SA, Simkowitz P, Schloesser R, Alexoff DA, Hurley A, Cooper T, Volkow ND.
Am J Psychiatry. 1997 Apr;154(4):490-6.

 ううむ、ちょっと調査不足で結論は不明…(-_-;)
  1. 2009/03/06(金) 20:37:02|
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もう「孤児」ではない

 Orphan receptor (孤児受容体)というのは生体内でのリガンドが不明な受容体のこと。そのひとつにシグマ-1受容体があった。シグマ-1受容体に高親和性を持つ化合物としてimipramineなどがある(昔、神経科学会でimipramineはシグマ-1受容体のagonistとして働くという話を聞いたような…)。Imipramineは抗鬱薬として使われていることから、シグマ-1受容体は抗鬱薬のターゲットとなっている、、、のかな?
 とりあえずその受容体の生体内でのリガンドは不明だったが、それが同定された。

The Hallucinogen N,N-Dimethyltryptamine (DMT) Is an Endogenous Sigma-1 Receptor Regulator
Science, Vol. 323, pp. 934 - 937, 2009
Dominique Fontanilla, Molly Johannessen, Abdol R. Hajipour, Nicholas V. Cozzi, Meyer B. Jackson, Arnold E. Ruoho
 例によってアブストしか読んでいません。
 何と正体は幻覚剤の一種であるジメチルトリプトアミン だった。うつ病の患者さんではこれが減っていたりもするのでしょうか?そういえばカンナビノイド受容体拮抗薬では抑うつ傾向があるなど、生体ではいわゆる「麻薬」と呼ばれる(呼ばれうる)物質を使うことが多いようです(おそらくこの表現は誤りで、実際には"シグマ-1受容体やカンナビノイド受容体などに作用する物質が「麻薬」と呼ばれうる"という方が比較的正確なのだろうな)。
  1. 2009/02/18(水) 20:52:16|
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他人の不幸は蜜の味

When Your Gain Is My Pain and Your Pain Is My Gain: Neural Correlates of Envy and Schadenfreude
Science Vol. 323. no. 5916, pp. 937 - 939, 2009
Hidehiko Takahashi, Motoichiro Kato, Masato Matsuura, Dean Mobbs, Tetsuya Suhara, Yoshiro Okubo

Schadenfreude…他人の不幸を喜ぶ気持ち(ドイツ語)

 fMRIによる嫉妬などの気持ちについての報告、本文は読んでいません。
 アブストだけだと"stronger envy"や"stronger schadenfreude"をどのように定量したのかがイマイチ良く分かりません(おそらく本文に書いてあるでしょう)。
 試験は二種類あって、一つ目は「例えばある人に自分よりも地位が上の人についての文章を読ませる。被験者が"stronger envy"を感じた時にはanterior cingulate cortexの活動が強くなっている(fMRIで測定)」。二つ目、「嫉妬した相手に不幸(misfortunes)が起こるよな文章を読ませたところ、"stronger schadenfreude"を感じる、striatumの活動が強くなっていた」、という理解です。

 Anterior Cingulate Cortexもstriatumもdopamine neuronが多そう、だとか、rewardなどに関わっていそうだ、などというような素人的な知識/印象しかもっていないのですが、なかなか考えさせられる話です。これは人間特有なものなのか、それとも他の動物にも観察されるのか、等気になることが山のようにあります。案外国民性とかあったら微妙ですね(Authorを見る限り、被験者は日本人と考えるのが妥当でしょう…)。
 また、ドイツ語にSchadenfreudeという単語があるのが結構驚き。これも国民性とかと関係あるのでしょうか?
 Viking先生が何か書いて下さらないかな…とひそかに期待。
  1. 2009/02/13(金) 17:30:39|
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タミフルと風邪薬併用でネズミに異常行動

飲み会帰りなので適当ですが。
『タミフルと風邪薬併用でネズミに異常行動』
 元の論文がどれなのかは調べていないので良く分からないのですが、ちょっとだけ頂けない文言が。記憶がウソだったら私の文章がウソだということになりますが。

タミフル後にカフェインとエフェドリンを注射した若い雄ネズミ12匹を観察すると、全匹とも体中にぐっしょり汗をかき、30分以上にわたって跳び上がったりそわそわしたりする過剰な活動をした。うち2匹は、仲間の上に乗るという異常行動を繰り返した。


 異常行動があったのは、論文を信じれば、事実なのだろう。しかし、ネズミには汗腺が無く、汗などかかないハズ。これが元論文に書いてあるのか、面白可笑しく記事にするときに脚色してしまったのか、それとも実は汗腺があって汗をかいていたのかは良く分からないが。どうだったかなあ。
  1. 2009/02/03(火) 23:34:19|
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脳活動から視覚映像を再現

『asahi.com(朝日新聞社):視覚情報、脳活動分析し再現 ATRが成功、世界初 - 関西ニュース一般』
「再現」というよりは「再構築」と言った方が的確なのかもしれない。

元論文はこちら、ATRの方々ですね。
Visual Image Reconstruction from Human Brain Activity using a Combination of Multiscale Local Image Decoders
Neuron, Volume 60, Issue 5, 915-929
Yoichi Miyawaki, Hajime Uchida, Okito Yamashita, Masa-aki Sato, Yusuke Morito, Hiroki C. Tanabe, Norihiro Sadato and Yukiyasu Kamitani

 門外漢なのでよくわからないのですが、fMRIで一次視覚野を見るだけでdecodingできるというのはちょっと驚きな気がします。まあでも一次で分からないものが高次を見て分かるようになるわけでもないのでしょうが…と考えるとまあ納得でしょうか。ヒトを使った実験だと個体差が非常に大きいという印象があるのですが、ちゃんと再構築出来ているのがすごいですね。
 今回はあらかじめ画像・文字などを見せ、その時の活動を測定した上で実際に何を見たのかを当てている。これがどの程度複雑なことまで再構築できるのかよく分かりませんが、怪我などでうまく喋れないなどアウトプットが不自由になった場合などに非常に有用なのではないかと思います。テレビ(NHK)ではどういう夢を見ているのかということも…とかいう話もありましたが、それは余計なお世話ですね(^^;)。
 
 
  1. 2008/12/11(木) 23:10:46|
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HMさんが亡くなった

 『Pure Pedantry : RIP Patient H.M.』
 HMさんは1926年生まれで、子供の頃の事故でてんかんを起こすようになってしまったらしい。その後、1953年に海馬の大部分の除去手術を受けたところ、てんかんは治ったが重度の前向性健忘を発症してしまった。また、逆向性健忘も若干発症していた。複数の記憶の構造について多大なる貢献をされたと教科書レベルでは記憶している。HMさんの協力がなければ現代の脳科学は何年遅れていたのであろうか…。
 「ご冥福をお祈りします」は西洋の方には不適切なのかもしれない(宗教的な背景がよく分からないので何ともいえませんが)が、哀悼の意識自体は洋の東西は関係ないのではないかと思う。
 
『HM (patient) - Wikipedia, the free encyclopedia』
  1. 2008/12/07(日) 21:07:57|
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プロフィール

ikettie

Author:ikettie

・博士号(薬学)取得後、とある製薬企業の研究者になりました。
・大学と企業の違いに戸惑いながら日々の思考の変化を追っています。
・コメントお待ちしております。
・初めての方はこちらへどうぞ(070824改編)
・検索エンジンから「ST250」でいらした方はこちらへどうぞ

・ツーリングの目次はこちらです。
・トップ画像の拡大写真はこちら。2010年5月3日@萩ユースホステルからの夕日です。夕日を見送るのが好きなので、良くツーリング先で夕日を見送っています。



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