日々の戯言〜研究とか薬とかST250とか〜

その他ダイエットや就職活動記など色々な出来事の備忘録

「博士の生き方」アンケート

 『博士の生き方』でアンケートを実施しています。

『第4回アンケート調査の実施』

 実際にどの程度影響があるのかは良くわからないのですが、何もしないよりは良いと思います(追記:読み返してみると意図しない表現になっていますね。「自分は何もしないよりも、アンケートに答えた方が良い」ということで、アンケートの意義を問うているわけではありません。アンケート自体は有意義なものと考えています)。アンケートの対象者は「博士課程修了者(中退者含む)および今年度、博士課程修了予定の方(中退予定の方を含む)」とのことで、私は該当するので今回も回答させていただこうと思います。
 とりあえず回答期限まではトップにおいてみようかと思います。回答期限は2008年3月12日です。

 以上勝手に宣伝してみました(2008/02/26記)。
期限までは更新記事は↓にでます。
  1. 2008/02/26(火) 00:00:00|
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アメリカのポスドク事情を聞いた

 SfNの話題が続きます。SfN帰りの人からアメリカに留学している人達の話を少しだけ聞いた。といっても一言二言だけだけど。どうやらsuccessfulな人と、そうではない人で完全に二分されているらしい。
 最近の言葉で言うと勝ち組負け組(*1)がハッキリしているということかな。あまりsuccessfulではない人がどう大変なのかについては聞いていない。まあある程度は想像はできるけど…。

 別に留学している人だけが大変なのではなく、nativeの人も大変な様子。ちょっと古いけど、Nature Neuroscienceに載っていた。


Supply-side academics (Nat Neurosci. 2007 Nov;10(11):1337.)

The number of biology PhDs has increased without a corresponding change in tenure-track positions. This oversupply has led to an intense competition for jobs and funding that may be damaging the culture of science.


 中途半端にしか読んでいないけれど…

・FASEBの調査: the United States is producing PhD biologists at a greater rate than academic research can absorb them.

・テニュアに就いているPhD biologists:46% (1981)→less than 30%.

・2004年にはポスドクの57%がテニュアトラックに応募(AAASの調査)。実際に就けるのはこの半分程度。

・共同研究などが減っている(unpublished dataを出すのを嫌がる)〜such competitive behavior is a natural-and perhaps rational-

・解決法…入口を減らすか出口を増やす(まあ当たり前か)。

 巷でよく言われているのは「博士が多すぎる」ということで、入口を減らす方向。ただ、これでは研究者の絶対数も減りかねない(というか減るでしょう)のでscienceのレベルも下がってしまう恐れがあるのではないかと思う。土台がしっかりしていないと高くはならないピラミッドのように(*2)。では出口は増やせるのか…?博士まで行ったのだから、というような考え方を捨てれば(≒選ばなければ)働く場所はいくらでもあるのかもしれない。
 まあ「博士が多すぎる」と仰る方々は博士の質の低下を嘆いている方もいらっしゃるのかもしれない。これは耳が痛い(>_<)。
 企業就職を考える場合、日本企業は「新卒」を有難がる傾向にあるので迷える期間が短いのかもしれない。中途が増えているという話は聞くけれど、アメリカほどではないでしょう。色々社会の事情が違うのに、何でもかんでもアメリカ型を目指すのはまずいですね。
 じゃあどうすればいいんだろう?日本のお家芸と言えば年功序列と終身雇用。年功序列はだめだろうけど終身雇用は…?高学歴低ポスト(*3)でも生活が保障されていて研究ができるのであれば…という気もします。まあ深く考えた上での発言ではないのですが…。


(*1)
正直この言葉は嫌い。

(*2)
勿論院生がより密度の濃い指導を受けられるので一人一人のレベルは高くなる、という可能性もありますね。

(*3)
薬学の同期(修士卒で就職、結果的に同じ会社に勤めることに…)が言っていた、高学歴低ポストの人もいる、と…orz
  1. 2007/11/13(火) 23:17:24|
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大卒(院卒)研究職社員の資質

asahi.comより
『大卒研究職社員の資質「期待上回る」は1% 文科省調査』

簡単にまとめてしまうと…
・研究開発をしている企業1791社が対象、896社(50%)から有効回答。
・研究者の資質を学歴別に尋ねたところ、「期待を上回る」は、学士が1.0%、修士課程修了者で1.4%、博士が2.6%、ポストドクター(任期付きの研究職などに就いている博士)が2.2%。
・「ほぼ期待どおり」は60%前後。「期待を下回る」とした割合は、学歴・年齢が高いほど低く、修士では約26%、博士約15%、ポスドク約8%だった。
・期待を下回る理由…学士では「基礎教育の内容・方法が不十分」が最も多く、修士や博士は「企業ニーズに無関心など企業研究者としての自覚に欠ける」が最多だった。

以下簡単に感想を…
・「ほぼ期待通り」が最も多いということから、企業に勤めている修士・博士・ポスドクの方々はそれなりに能力を発揮しているのかな。
・しかし、「期待上回る」はかなり少ない。
・「期待を下回る」は「ほぼ期待通り」に比べればかなり少ないのだが、「期待を上回る」に比べればかなり多い。
・「期待」というものの程度が会社によっても違うだろうし、色々不一致もあるのかもしれない。一概に「能力が…」というような話では無いと思う(「色々」が何なのかは良く分からないけど「全て含めたもの=能力」とか言われてしまったら仕方がない…)。
・学歴・年齢が高いほど「期待を下回る」が少ない、という事からは大学(院)の産業界に対する役割(人材育成・輩出?)は一定の成果を得ているのでは。特に企業のポスドクに対する評価は高いと思います。枠が狭いので、本当に期待に沿う様な人材だけを採用しているのかもしれないけど。それでも、ニーズに合う人材なら採ろう、と企業は考えているのだろう。
・修士、博士…「企業ニーズに無関心など…」というのはアカデミアに染まってしまうと仕方がないのかもしれない。ただ自分が生きていくためにはその辺りの思考の枠組みを変える必要があるのだろう。
・学士…「基礎教育の内容・方法が不十分」というのはある意味仕方が無い。学部生ではなあ…という気もします。ある程度を求めているのならば修士以上でないと、と思いますが。それとも学部で大したレベルではないのは仕方が無い、という考えはゆとりなのか?
・博士の15%程度が期待を下回る…6、7人に一人位ですか、頑張らねば(>_<)
  1. 2007/10/27(土) 20:13:33|
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第5回 「『博士の生き方』座談会 in 広島」

 ここを読んでいる方々は読んでいらっしゃると思いますが、検索エンジンからの方もいらっしゃるので勝手に宣伝です。
 『5号館のつぶやき : 博士の生き方座談会 in広島〜ポスドク問題を再考する〜』経由で知りました。


第5回 「『博士の生き方』座談会 in 広島」参加者募集中

2007年10月20日(土)開催予定

1.開催の目的:
ポスドク問題に関しては、企業の採用に関する体質の問題、本人の資質や能力の問題、大学と産業界のミスマッチの問題、研究室での教育の問題など、さまざまな角度から課題があるのではないかと指摘されておりますが、現在のところ深い議論というのはなされていないように感じております。

そのため、ぜひ一度、できれば直接的に関係のある学生、ポスドク、大学の先生方で率直にポスドク問題について意見交換をおこない年代や専門の相違などの相違を踏まえて議論を深めていける機会を作りたいと思い、今回の座談会を企画しました。

今回のタイトル「ポスドク問題を再考する」の座談会は今年度中に数回、全国で実施することを現在考えております。そして現在、私が係っております国立教育政策研究所のプロジェクト「理系高学歴者のキャリア形成に関する実証的研究」で報告をしたいと考えております。座談会に参加された方々に限らず、より多くの方に還元できるものにしたいと考えております。

ポスドク問題について考えておられる大学の先生方、将来について真剣に考えておらえる学生の方、考えておられたポスドクの方の参加を熱望しております。どうぞよろしくお願いいたします。

・開催日時: 2007年10月20日(土):9:00-12:00

・当日の座談会の流れ: 〜9:00:受付
9:00-12:00:ディスカッション(はじめに私の方から今回の課題設定などについて説明させていただきます。)
※司会進行は、私、奥井がおこないます。

・開催場所: 広島大学・東広島キャンパス内に設定する予定です(まだ確定しておりません)

・参加者定員: 10名程度

・参加資格: 博士課程に在籍している方、博士課程への進学を希望している方、博士課程修了者(中退者も含む)、大学の教職員・事務職員の方

・参加費: 無料。

・参加申し込み方法:
博士の生き方管理人宛trim2003アットマークgmail.com(アットマークは@に置き換えてください)にメールにて、タイトル「第5回座談会参加希望」と明記の上、次の事項をご連絡ください。1.氏名、2.所属(大学名・学年もしくは会社名)、3. 年齢、4.連絡先メールアドレス

※参加希望のメールは必ず 「trim2003アットマークgmail.com」 にくださるようお願いいたします。
※参加申し込みをされた方には返信をいたします。また、会場が決まり次第ご連絡を差し上げます。

・参加受付期間: 〜10月18日(木)23:00まで

・その他:
今回の座談会で行われた議論はレコーダーに録音させていただく予定にしております。ただ、今回の取組みを整理して公表をおこなうような場合には発言者が特定されないように留意いたします。

どうぞよろしくお願いいたします。



期日まではトップに置いてみようかと思います(2007/10/12記)。

元の投稿日に戻しました(2007/10/19)。
  1. 2007/10/12(金) 23:00:00|
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キャリアの選択肢

 就活というかキャリアについて…。

『うすっぺら日記』より
「アカデミアへの進路の固定はどうしてなのか」
「なぜアカデミア志向は瓦解したのか」
 非常に鋭いご意見なので、まずは全部読まれることをお勧めします。

 lanzentraegerさんの仰るように一般論として語るのは危険なのですが、stochinaiさんが否定していない(むしろ肯定的に捉えている)ことから、私の中での「理学部・理学系研究科の人々」像は実際とそれほど大きくは違わない気がします。これは個人の問題ではなく「理学系の大学院」の問題なのかもしれません。しかし「理系の大学院」全般の問題ではないと考えます。

 以前の文章から。

 それはそれとして、博士課程に進むにあたって残しておきたかったのがアカデミアへの道と企業就職の道の両方だということになります。現在の研究室ではどちらにも道があります(正確にはどこにでもありますが)。

 あえてこのような書き方をしたのは、そもそも企業就職に関しては専攻によってかなり温度差があるのではないかと思っているからです。私の誤解かもしれませんが、理学や工学の人々は博士課程に進む時点でほとんどの人がアカデミアを考えるものだと認識しています。すわわち「博士進学≒アカデミア」と。そしてアカデミア以外の道、例えば企業就職、を選ぶと「ドロップアウト」とみなされてしまうと。

 しかし私の所属する薬学では必ずしも「博士進学≒アカデミア」ではないと考えている人が多いと思います(所属研究室の教授からしてそうです)。ある程度は「研究職」で、という意識はあると思いますが、博士修了後の企業就職も一つの選択肢として考えられていると思います。
 
 この企業就職に対する意識の違いというのは馬鹿にならないと思います(自分自身の意識と周りの意識の両方です)。大手を振って、とはいいませんが、周り(教授以下学生まで)が就職活動を理解、許容してくれるというのは恵まれていたと思います。勿論長引けば実験が遅れて後が大変ですし、堪忍袋の緒が切れがちになることもあります。ただ最初から「ドロップアウト」とみなされてしまうと言うことがないのは大きいと思います。


 この考えは基本的に今も変わっていません。工学の人々に関してはよく分かりませんが。


失礼な話かもしれませんが…。lanzentraegerさんの仰ることで一点疑問があるすれば

>就職しようと思ったきっかけはかなり早い段階だった。おそらくM2の時にぼんやりと思い始め、D1、D2で強くなっていった気がする。

と仰っていることから、かなり早い時期から就職に対する意識を抱かれていたようです。にもかかわらず実際に就職活動を開始されたのはD2の10月〜11月の頃のようです(と理解しております)。少なくとも製薬や一部の食品の募集は終わっている時期だと思います。このタイムラグ(とでも言うのでしょうか)は何故生じてしまったのか?と言うのが疑問です。
 別に製薬に行く事が良いかどうかは分かりません。ただし就活に関しては、早くから始めた方が選択肢も広がりますし、内定する可能性も高いように思えます。迷われていたということかもしれませんし、就活し辛いような環境だったなら躊躇ってしまうということも理解できているつもりです。逆にその辺りに、今まさに躊躇っている人々へのヒントがあるのかもしれません。D2の就活はちょうど始まった時期ですし。
 単にlanzentraegerさんがこれらの企業に興味が無いだけなのかもしれませんし、個々人で事情も異なってくるので私が何かを言うようなことではありませんが…。

 こちらも参考になります。
『ある理系社会人の思考』より
「博士の就職活動」
「企業研究と基礎研究の切り替え」



 上の引用文で訂正をするとすれば、自分の考え方をあたかも薬学の人間の一般論としているところですね。人によって、また所属研究室や大学によって事情が異なってくるとは思うので一般化することはできないと思います。
 しかし、博士課程の途中で精神的に研究をこれ以上進められない、という学生に対しても就職の斡旋をする教授の話を聞きました(所属研究科の有機化学系の教授ですが)。
 また、研究科の同期に関してはD2の時に「就職をする・しない」という話が出ていたので、最初から選択肢が無いわけではありません。
 従って、実際に選ぶ道は違うかもしれませんが、ある程度の理解は得られると思っています。

 過去、学位が不必要な企業から内定を貰い途中で研究室を去った人もいます。しかし、それを「ドロップアウト」というのは違うと思います。もっともアカデミアしか見えていない方には、本当に視野から消えるわけですから、「ドロップアウト」としか映らないのかもしれません。そのような方からすれば、私のような者も「ドロップアウト」組なのでしょう。

 私自身は、そもそも「博士課程に進んでまで企業就職?」という考え方がおかしいのではないかと思います。これはそもそも「博士課程」の捉え方に違いがあるのかもしれませんが。
 それともおかしいのは私の方でしょうか?まあ「おかしい」、「おかしくない」という問題では無いのかもしれませんが、少なくとも少数派だと思います。
  1. 2007/09/17(月) 20:37:06|
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「博士余り」解消へ「20%ルール」!?物理学会が提言 (070717追記)

 Yomiuri onlineより
 

若手の研究者は、仕事時間の20%を自由に使って好きな研究を――。日本物理学会(坂東昌子会長)が、こんなユニークな提言を発表する。
 背景には、博士号を取得しても、希望する研究職につけない「博士余り」の問題がある。若手博士の視野と発想力を広げ、企業など幅広い分野で活躍させるのが狙いだ。


 若手博士の視野と発想力が広がったら企業側は採用してくれるのですか?企業側がそのことをちゃんと判断できるのですか?企業側の枠が狭いままならば20%の時間を自由に使えても結局就職できない可能性も十分あります。それだったら20%の時間も結局普段の研究に使うことになるでしょう(アカポスに就くには業績が必要なため)。少なくとも僕ならそうしてしまうと思う。こんなことを言っているから博士は視野が狭いとか言われそうですが(まだ博士号は無いし…)。

 坂東会長は「若手に新しいことに挑戦する時間を与え、学問の幅を広げることで就職先を増やしたい。若手を雇用、指導する側の意識改革が必要」と訴える。同学会では、他の学会などにも呼びかけ、「20%ルール」を広めていく。


 指導する側が本当に変わるんですか?アカポスは業績が必要ですよね(十分条件ではないが)。そうするとボスからするとアウトプット(労働力)が低下するのは非常に懸念すべき事項ですよね。国内外の競争にも負けてしまう可能性も高くなります。それを踏まえた上で本当に20%の時間を自由に使わせてもらえるのか、非常に疑問です。確かにGoogleでそのようなことを行って、GmailやGoogle Newsが産み出されたということは聞いたことがありますが、同じアナロジーが大学院に通用するのでしょうか?まあ試みとしては良いと思うのですが、指導する側に「20%の時間を遊んでいるんだからその分睡眠時間を削って研究しろ」という意識が無いことを願います。

 博士余りは、産業界の受け皿が少ない生物科学と、物理などの基礎科学分野で深刻。大学院の博士課程進学者は2003年度をピークに減少するなど、博士離れも生じている。


 博士離れは当然でしょう、薬学系はまだまたいい方だと思いますが。それよりあえて「生物科学の受け皿が少ない」ということを書いたのが気になります。いや、勿論企業就職に関しては枠が小さいのは身をもって体験しましたが、人文科学、社会科学などと比べても少ないということは無いと思います。むしろ文系の方が大変でしょう。それとも母集団の人数が違い過ぎるから単純には比較できないのでしょうか?または自然科学しか視野に無いのでしょうか?
 文系博士、出口ないトンネル(Yomiuri onlineより)

「論文を書く時間がなく常勤職に応募もできない。任期付きでも雇用があるだけ理系博士は恵まれている」と、この男性は嘆く。


 ただどちらがどうとかでは無く、次のことが重要。同じく「文系博士、出口ないトンネル」より

漂う博士の現状を放置すれば、若い世代に間違ったメッセージを送ることになりかねない。


 別に必要以上に悲観的になることは無いと思う。こういう先生もいらっしゃるようだが僕は他人が博士課程に進むことを勧めもしないが止めもしない。重要なのは実態を知ること、そして実態を知った上で決断をすること。勿論決断できる環境下におかれていることが前提なのだが…。



(070717昼追記)
 若干酔い過ぎた勢いで書いてしまったので文章が雑ですが、言いたいことは(部分的にですが)言えているのでこのままにしておきます。
  1. 2007/07/17(火) 00:57:27|
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たんぱく3000後、30人のPDが未就職

 Biotechnology Japanより

理化学研究所、たんぱく質3000プロジェクト終了後も、未就職PDが30人に上ることを公表

 理化学研究所は、2007年7月9日、第2回科学技術関係人材のキャリアパス多様化促進事業連絡協議会(文部科学省主催)で、たんぱく質3000プロジェクト終了後、現在に至るまで未就職のポスドクが30人以上存在することを明らかにした。今後、”ミレニアム・ポストミレニアム・バブル”の終了に伴い任期制の大型プロジェクトの解消が相次ぐが、こうした状況に対して先手を打たないと、雇用のミスマッチが生じることの警鐘となった。


 「警鐘」どころの話では無いだろう。でもポスドクは増えている。
産経新聞より

「博士」も定職が見つけられず…ポストドクター1万5000人超

 大学院で博士号を取得したものの、研究機関や企業から正規採用されずに研究を続ける「ポストドクター」が、全国で1万5000人超に達したことが10日、文部科学省の調査で分かった。平成17年度中のポストドクターは1万5496人で、前年度より642人(4.3%)増加。「博士」になりながら定職が見つけられず、修行を続ける研究者が多い実態が浮き彫りになった格好だ。
(中略)
 文科省では「ポストドクターを正規雇用するよう、民間企業にも促していきたい」としている。

(2007/07/10 21:42)


 文科省の産めや増やせや政策で博士号取得者の数は増えたが雇用先が足りなくなったので民間に押し付けようとしている。しかし、先日のクローズアップ現代で「味の素がポスドクを採用しようとして40人の選考をしたけれども、適格者がみつからなかった」と放送されていた(らしい)。本当に適格者がいなかったのかスタンスだけ「募集していますよ」なのかは分からないが、どちらにせよ採用されない。
 でもたんぱく3000だけではなく、これから任期の切れたCOEポスドクとかもどんどん出てくるんですよね?さらに未就職の人が増えるのでしょうか?また、博士課程での就職というのは(分野を選んでしまうと)厳しいと言うのも実情。それらの事実を鑑みると自ずと答えは出てくる。


  1. 2007/07/12(木) 21:09:36|
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クローズアップ現代

 最初に言ってしまうと、見ていません。実験でいっぱいっぱいでした。

[ ]内引用者注

[2007年]7月3日(火)放送
にっぽんの“頭脳”はいかせるか
〜苦悩する
博士たち〜

今、「博士号」を取得しても、希望の職に就けない人が急増している。90年代に国が科学振興の一貫として博士課程の学生数を2倍以上に増やしたにもかかわらず、大学でのポストが増えないからだ。欧米では産・学が緊密に連携し、"ドクター"が、最先端の技術開発をひっぱっているのと対照的である。不安定な身分のまま働き、中には40歳になっても年収は400万円、企業への就職もできず、派遣社員として生活している人もいる。番組では、日本の頭脳・ポスドクたちを取り巻く厳しい現状と、"頭脳"を活かせない日本の問題点を探る。(NO.2437)


 それほど特筆するようなことを言っていたわけではないようですが、非研究者に現状を知ってもらうこと必要だと思います。博士に進学するならそれなりに覚悟が必要、就職活動するかどうかを迷っている研究室のM1にはよく考えるよう言っています。
 自分は、というとあまり考えずに進学してしまいました。修士で卒業してしまうとかなり中途半端だという思いと「自分はどうにかなるだろう」という甘えがありました。

 話は違うのですが、薬学部は新設ラッシュです。今薬学部に入る人たちが卒業するころには過剰になっていると言われています、そう、正に今の博士のように。そんな中で慶応大学と統合することになっている共立薬科の人気が高まっているようです。「慶応大学薬学部」と呼ばれるようになるのかどうかは知りませんが、安易な気持ちで薬剤師を目指すことはお勧めしません。慶大生とか言っていられる6年間は良いのかもしれないが、その後が大変だと思いますよ。別に共立薬科に限った話ではありませんが、「手に職を」とか言って(薬剤師を)選ぶ時代では無いと思う。

  1. 2007/07/04(水) 20:00:40|
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Employing Japan's postdocs

日本のポスドク問題がNature jobsに載っていました。まあ今更感がありますが。

Osaka University in Japan recently surveyed 83 of its science and technology postdocs and found that more than 60% no longer wanted to be postdocs. More than 85% felt insecure about their careers.


 単純に比べることはできないのですが、総務省発表の転職希望率、これに比べれば60%というのはかなり高い値だと思います。
 余計なお世話かもしれませんが、やめて何をしたいのかが気になります。まさか「任期付きで将来が不安だからとりあえずもう嫌だ」だけではないと思いますが。まあ家族とかいたりするとそうも言ってられないのかもしれませんがそのあたりは未婚のikettieは分かりません。ただ、先が見えない、ということは本当に不安だと思います。ある程度の雇用は確保されているとは言え、再編の嵐が吹き荒れている製薬業界も先が見えません。あまり他人のことは言えない。
 85%の人が将来に不安があると答えていますが、残りの15%は?将来に不安がないという人がいるのは驚きです、誰しもある程度は不安なのでは?よほど輝かしい業績があるのか、楽観的な人なのか。

Today, some PhDs have taken as many as four different three-year jobs by the age of 40.


 たまにこういう方の話は聞きます。40だと子供とかもいらっしゃるのでしょう。大変だと思いますが頑張って下さい。
 ポスドク問題ではないのですが、最近テレビでよくネットカフェ難民について放映しています。結構同世代だったりしてあまり他人事ではありません。こちらで1970年代から1980年代初頭生まれは「氷河期世代」とか「貧乏くじ世代」とか「ロストジェネレーション」とか言われています。
酷いなあ。

 一般人(定義が曖昧ですが)の関心はどちらの方が高いのか?間違いなくネットカフェ難民の方ですね。いくらNatureに載ろうと一般人の目には触れないんだよなあ。うちの親とか「ポスドク」という単語すら知らないし(無知なだけかもしれないですが、それが実情だと思います)、ましてや任期付きだということを非研究者はどれだけ知っているのでしょうね。新聞などでも取り上げられているけどあまり浸透していない気がします。
 世知辛い世の中だ(結論はいつも一緒な気がする)。
  1. 2007/06/24(日) 17:13:13|
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